☆板垣哲史の為替戦略=2017年の世界経済とドル円の見通し

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2016年は、年間を通してもドル円の最高値は、年初の121円69銭であり、原油価格の急落と低迷、中国の経済減速、ドイツ銀行の巨額課徴金問題、イギリスのブレグジット、などアベノミクスの出る幕もなく、遂に一ドル100円を割れ、マイナス金利の黒田節もお手上げとなる情勢が続き、ずるずると円高株安が続いた。

しかし、11月に神ってるトランプ氏が大統領に選出されたニュースから市場の雰囲気は一変して未来に対する期待感が高まった。
ドル円も118円後半まで値を戻し、米国経済の経済指標の改善も後押しし、既定路線のFRBの利上げがようやく実現し、年の暮れを迎えた。

実際トランプ氏の景気刺激策が実行に移されるのは、2018年度であり、米国の新年度とは2017年の10月からである。すなわち2017年前半、中盤は、FRBが宣言通り年3回の利上げを実行できるだけの米国経済が順調に推移するかにかかっている。幸い今のところ米国経済はトランプフィーバーの後押しもあり、米国は順調に確実な成長を続けそうな勢いである。

もう一つ気になることは、世界の政治状況である。現在のところ民主党政権での政治紛争に対する優柔不断な態度とは異なり、アメリカの国益を第一にするというトランプ氏の明確な態度は、例えばシリアのアサド政権が独裁、強権政治だからと言って、ロシアと対立してまで、反政府勢力をサポートすることはあり得ず、難民問題も収束に向かいそうだ。ただ軍事的には強硬派のネオコンをバックにしているだけに同盟国への支援は手を緩めることはなさそうだ。

逆に言えば、安倍政権の全方位外交も日米安保条約がある限り、日露の経済交流は発展しても北方領土の返還はないと見たい。なぜならロシアは北方領土にオスプレーが自由に飛ぶ姿を見たくないからだ。いずれにせよ世界の政治状況の混乱はやや収束に向かうとみたい。

さて、相場の方だが、年初1月2月に恒例のドル高で5円程度緩む事がありそうだが、3月15日にFOMCで17年の第一回目の利上げが断行されたころから、本格的にドル高が進行し、2015円の高値である125円85銭を4月5月にはなんなくクリアーし、日経平均は22000円まで上り詰めるだろう。

ただ、グローバル規模で米国に資金還流が進むことで信用不安が引き起こされやすくなり、米長期金利の上昇とともにドル高がそこまで進めば、国家経済会議(NEC)のトップに指名されたゲーリー・コーン氏がかねての持論である「ドル高は米国にとって不利益」との強い警告発言が飛び出し、一夜にして大幅な円高が出現する可能性が懸念される。同時に、5月上旬にフランス大統領選挙の結果が、9月にはドイツで総選挙を控えていることから、もし、極右候補が勝利してEU離脱観測が高まり、欧州不安が一段と強まることになると、なぜか世界の最強通貨?である円が買われ円高となるやらしれぬ。

また新興国でも、資金流出やドル建て債務の返済負担の増加から信用不安が強まる恐れがある。特に中国は相当な規模で対内、対外債務を抱えているだけに、成長鈍化は自明の理としても、人民元安圧力に抗して外貨準備を取り崩すにあたり保有米国債を積極的に売却すると信用不安に拍車がかかりかねない。これも円高要因である。

そうした動きが17年半ばから顕在化して初秋にピークを迎えるとすれば、その頃にかけてドル・円相場は1㌦=110円前後まで調整局面を迎えるのではないか。

そしてこの状況が収まったころに、米国の10月新年度のトランプ景気刺激策が実行に移されFOMCの二度目の利上げも追い風に、再びドル高の機運が高まり、年末にはFOMCの三度目の利上げと相まって、コーン氏の警告も空しく一気に一ドル130円の大台に乗せ、日経225も23500円の大台に到達することになるのではないだろうか。

ユーロ・ドル相場の先行きであるが、次第に内部的な混乱が続き、それが長引きそうなこともあり、すでに15年3月13日の1ユーロ=1・0461㌦を割り込んでいる状況を考えると、中期的にはパリティ(等価)もしくは二番底では下げ止まらず、ユーロ発足以来の安値である2000年12月1日の0・8162㌦に向かって2018年には落していく可能性が高いのではなかろうか。

結論的に言えば、20017年は、ドルも株も下がったら買いのスタンスで臨みたい。

板垣哲史:国際金融コンサルタント。慶大法学修士、BCI、シティバンク東京支店FXチーフ・ディーラー歴任後、シティコープ・フューチャーズ在日代表を経て、現在(株)日本トーマスモアコンサルティング社代表。 著作に『儲かる米ドル預金』マネジメント社、『眠ったお金を揺り起こせ!』ブロンズ新社、『投資に勝つ最強の「心理」法則』(オーエス出版)、『ライフセトルメント投資入門』アールズ出版2011年監修がある。

このレポートは投資判断の参考となる情報の提供を目的として作成されたもので、投資誘導を目的としたものではございません。通貨の選択、投資時期の最終決定は御自身の判断でなさるようにお願いたします。
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(株)日本トーマスモアコンサルティング


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