「ツキ」とは確率の中のバラツキ(2016/6/10)

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「ツキ」とは確率の中のバラツキ(2016/06/06)

ギャンブル社会学の権威である元大阪商業大学学長の谷岡一郎氏によると、ギャンブルは回数を重ねていくと、ほぼ間違いなく赤字になっていくそうだ。確率論から見ても、勝・敗半々でも場代(通常3%から5%)の分は取り戻せないことになる。

その中でも特にルーレットや丁半賭博などスキルが入り込む余地のほとんどない運任せのものは、回を重ねると誰でもほぼ間違いなく赤字に転落するそうだ。さらに付け加えるなら、統計学上、最も赤字になる確率が高いのは、競馬・競輪・競艇・宝くじなどの公営ギャンブルだそうだ。あまりにも高い比率の胴元(公的機関)のテラ銭が原因である。もちろんこの場代は、全て主催者の懐に入るというわけではなく、競技場の維持管理費や広告費の出費等、人々を楽しませる為に多額のコストがかかっているからでもある。この手のギャンブルは小遣いで夢を買う程度にとどめておくのが良いだろう。パチンコも基本的にこの類に入る。

ところが、バカラやポーカー、マージャンなど、その人間の技術(スキル)、経験、読心術(心理学)などが、ものをいうギャンブルは、勝ち続ける可能性があるのだそうである。ギャンブラーを主人公にした映画がいくつかヒットしたが、息を呑む迫真の演技の見所は、相手の手の内を相手の微妙な表情の癖やしぐさの変化で見抜き、勝負する一瞬である。

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実は相場の世界でもこの心理分析は極めて有効なことがある。今、同じ立場でマーケットに参加している人々の心境を把握し、自分と同じように買い持ちとなり、相場が上がることを市場参加者のほとんどが期待していると感じたら、逆に売りに回って攻めるというような短期作戦を実行して上手くいく可能性も多々ある。

さて、相場の世界においては、もっと人為的な要素である統計的経済指標の予測や発表、最大参加者である当局のコメントや市場介入まで、相場の先行きに影響を与える情報が氾濫している。

であるからにしてトレーディングは、ギャンブルとは比較にならないほどのスケールでスキルや判断力、情報分析力の占める部分が多く、したがってギャンブル的要素というよりは、より確率論的要素の方がはるかに強いと言える。チャートなどのテクニカル分析は基本的に確率の精度を高める手段として発達してきたといえよう。

とは言うものの確率を頼りに参加すれば必ず勝つとは言い切れない。それは「ツキ」というものが存在するからである。実は「ツキ」とは時として確率論に対立して存在するものなのだ。確率論の前提とされるのが「大数(たいすう)の法則」と呼ばれるものであるが、これはスイスの数学者であるベルヌーイ(1654~1705)がベルヌーイ試行として、その原理を方程式化したものだ。この原理を簡単に言うと、サイコロの一から六までの目が出る確率は、サイコロを振る回数が多くなればなるほど、それぞれ限りなく六分の一の確率となっていくというものである。これが「大数の法則」の原理である。

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それでは「ツキ」とはいったいどういう現象なのであろうか。実はこれは数学的に言うならば、「連続して行われる試み(売り買いの回数)の中に存在する数学(確率論)のバラツキ」ということになる。もしルーレットで「大数の法則」に基づいて赤黒勝負をして、どちらかが一方に賭け続けるなら、勝率は50:50にあるはずですが、一万回もやるわけにはいかない。であるからわれわれが「ツキ」と呼ぶものは、そのプレイタイム中の確率の論理に他ならない。こう言ってしまえば元も子もないが、「ツキ」がないと感じたら、市場から暫らく遠ざかり、ゲンをかついだり、気分転換になることをして自分のリズムを変え、再び新たな気持ちで挑戦することによって、相場の波に乗れるよう努力するべきである。

勝負師と言われる人達は、ギャンブルであれ、トレーディングであれ、確率論と共に常に如何に「ツキ」を呼ぶかについてプロは絶えず心がけ独自の方法を持って対処しているのである。例えば五郎丸の「ルーティン」も彼が編み出した「ツキ」を得る方法である。
それでは元も子もない。

(日本トーマスモアコンサルティング社 板垣哲史)

このレポートは投資判断の参考となる情報の提供を目的として作成されたもので、投資誘導を目的としたものではございません。
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(株)日本トーマスモアコンサルティング


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