iPhone7はアップルの救世主となるか?(2016/09/20)

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小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

iPhone7はアップルの救世主となるか?(2016/09/20)

 9月7日にアップルが発表したiPhone7は日本市場を意識した仕様となりました。アップルの株価は2015年にピークを付けてから下落傾向にあり、アップルとしてはiPhone7による巻き返しを期待したいところでしょうが、iPhone売上は減少傾向にあって日本市場も例外ではありません。

 iPhone7の予約状況は好調とのことで、アップルに部品を供給しているメーカー(サプライヤー)にとっては部品供給の特需が期待できるかもしれません。しかしながら、インターネットでの検索ボリュームを見ると過去の機種ほどではなく、人気が長期化するかという点には注意です。サプライヤーのなかでもアップルへの依存度が高いサプライヤーより、依存度が低いサプライヤーを選別したほうがよいかもしれません。

■iPhone7はガラケー?

 7日にアップルが発表した新型スマートフォン「iPhone7」の特徴として、防水・防塵、高画質カメラの搭載、イヤホンジャックの廃止などが挙げられますが、非接触型ICチップFelica(フェリカ)を採用し、いわゆるおサイフケータイの機能がiPhoneに搭載されることには注目です。また発表会には、任天堂の宮本茂代表取締役クリエイティブフェローが登場し、スーパーマリオの新作「スーパーマリオラン」をiPhoneとiPad向けに配信することを発表し、ポケモンGoのApple Watch版も発表されました。今回のアップルの新製品発表会は日本市場を相当意識したものになっています。

 防水機能やフェリカ採用によるおサイフケータイ機能といえばガラパゴスケータイ、いわゆるガラケーに含まれる特徴でしたが、iPhone7が日本市場を意識した仕様になったことはiPhoneのガラケー化と言えるかもしれません。

 とはいえ、アップルに対する市場の評価は決して甘くはありません。アップルの株価の終値は7日に108.36ドルと直近の高値を付けた後、8日105.52ドル、9日に103.13ドルと下落しました。12日以降は反発して14日の終値で111ドル台に達しましたが、2015年に130ドルを超えていた株価には程遠い水準となっています。

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■iPhone頼みのアップルの苦しい状況

 図2は直近のアップルの製品別売上高の推移です。アップルの売上がiPhone頼みになっていることがわかりますが、そのiPhoneの売上は徐々に減ってきていることもわかります。2014年と2015年の10-12月期は売上が増加していますが、これは新製品の投入で一時的に売上が増えたものと思われます。新製品投入という季節的な要因を除くと売上高は減少傾向にあり、苦戦を強いられている印象はぬぐえません。今年に入ってからの株価の低迷は売上の低迷に無関係ではなさそうです。

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 図3は売上高を地域別で見たものです。今回の新型iPhoneは日本を意識したものであることは冒頭で述べたとおりですが、この背景として日本市場ではiPhoneの市場が拡大しているからだという指摘も見受けられますが、図3を見るとそうでもなさそうです。拡大しているというより、他の地域ほど減っていないという方が正しそうです。

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■iPhone7はアップルの救世主となるか?

iPhone7は低迷の続くアップルの売上において救世主となることができるでしょうか。新商品の予約状況は好調という報道もありますが、製品の期待を測るのに、ウェブでどれだけ検索されたかを見ることが参考になるかもしれません。大手検索サイトGoogleが提供しているGoogle トレンドではGoogleで検索されたキーワードのボリュームを相対比較することができます。今回はiPhone5以降の主要iPhoneの機種別人気度を調べて図4にまとめました。残念ながらiPhone7の検索ボリュームはiPhone5やiPhone6の発表時よりも少なく、市場の期待もさほど大きくはないのかもしれません。

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■日本株への影響は?

 iPhoneには日本企業が製造する部品が数多く組み込まれているとされています。iPhone7の登場は部品メーカーへの特需となることが予想されます。その一方で、iPhoneの売上が落ちていることや、以前の機種にくらべて人気度が相対的に低いことにより、ガラケーのように将来的にスマホ市場の成長から取り残されてしまうリスクがあるかもしれません。

 iPhoneを含むスマホ市場全体が成長するのであれば部品のサプライヤーには恩恵があるでしょうが、iPhone7の人気が長期化しなければアップルの株価に影響が出るだけでなく、アップルへの依存度が高い部品のサプライヤーの売上や株価にも影響してくるでしょう。スマホ部品のサプライヤーの中でもアップルへの依存度が低いサプライヤーを選別した方が良いかもしれません。アップルへの依存度が低い日本企業としては、村田製作所、TDK、日本電産、日東電工などがあり、これらの企業はアップルからの特需だけでなく、スマホ市場の成長の恩恵も期待できるものと思われます。 

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田慎(おのだ まこと)


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