今後の3大リスクイベントにはオプショナリティのある投資が有効(2016/11/07)

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小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

今後の3大リスクイベントにはオプショナリティのある投資が有効(2016/11/07)

 11月7日よりeワラントの新規銘柄が追加されました。今回の目玉は米ドルリンク債と日経平均株価を対象原資産とする残存期間が短いコール型eワラントとプット型eワラントが大幅に拡充されたことです。一般的に満期まで1カ月を切っている状態の銘柄は、選択する銘柄によっては大きな値動きを期待することができます。

 8日の米国大統領選をはじめとして、年末にかけて相場が大きく動くイベントが控えています。相場が大きく上下に動くイベントは、最大損失が限定されていながら大きな値上がりを狙えるeワラントの特徴を最も活かせるときです。
 今回は11月新規追加銘柄のポイントとイベントに向けた銘柄選択方法、さらにイベントごとのシナリオに則した銘柄例を紹介しています。特に為替(リンク債)を対象原資産とするeワラントは他のeワラントに比べて売買価格差(スプレッド)が小さくなっていますので、これを上手く活用して、年末の3大リスクイベントを乗り切りましょう!

■新規追加銘柄のポイントと銘柄選択方法

 今回追加されるeワラントのうち、日経平均株価および米ドルリンク債を対象原資産とする銘柄は2016年12月14日と2017年1月11日を満期日とする銘柄が多く追加されます。一般的に、満期までの残存期間が短く、権利行使価格が対象原資産の価格水準に近い銘柄は、他の銘柄に比べてハイリスク・ハイリターンとなります。また下図のように、同一の権利行使価格と満期日のコール型eワラントとプット型eワラントが拡充されるため、お客様においては両建て戦略の実行が容易になるものと考えられます。

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 対象原資産が○円になったときにeワラントはいくらくらいになるのか?という場合、eワラント証券のホームページでどなたでも無料で利用できるシミュレーターを活用して将来価格の試算をしましょう。例えば、米国大統領選挙後の11月10日に米ドル対円相場が上昇して107円に達すると予想した場合のシミュレーターの利用手順は次の通りです(PC画面の例)。

1.eワラントホームページの①「銘柄検索」(http://www.ewarrant.co.jp/search/)で②「米ドル」を入力検索し、「コール」であればどれでも良いので③銘柄名をクリックします。

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2、銘柄名ををクリックすると銘柄詳細が表示されますので、「SIMULATOR」ボタンをクリックして、eワラント証券のホームページのシミュレーターが起動します。

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3.シミュレーターを起動して表示文言に同意していただくと、1.で選択した銘柄のみが表示されている状態となりますので、下図の①「銘柄比較」という箇所をクリックして複数銘柄を比較できるシミュレーターを起動します。②「計算日」には試算したい日の11月10日を、③「参照原資産価格」には試算したい米ドル対円相場の107を入力して④「試算する」ボタンをクリックしてください。入力した条件において試算価格が一覧表示され、騰落率が高い順に銘柄が並びます。

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4.この例では権利行使価格116円、満期日1月11日、回号687回の銘柄の騰落率が高くなることが分かりました。この銘柄を買付する場合は、各お取扱い証券会社にて1.と同じ対象原資産「米ドルリンク債」の「コール」で回号が687回となっている銘柄を探します。権利行使価格と満期日を確認して買い付けます。

 なお、この画面は11月7日の新規銘柄追加前に作成したものなので、11月7日以降に取引が可能な銘柄は含まれておりません。また、シミュレーターによる試算結果は将来を保証するものではなく、特に計算日が現時点よりも先になるほど、参照原資産価格が現在の相場水準よりも乖離するほど、試算結果と実際の投資成果は大きく異なりますのでご留意ください。

■オプショナリティがあるeワラント

 相場が上がるか下がるかだけを予想してポジションをとる投資手法では、「どちらに動くか分からない!」という状況では様子見としてポジションをとらないか、根拠の薄いギャンブルになってしまいます。

 オプショナリティがある投資とは、相場が上がった場合と下がった場合の損益が同額ではない投資のことを言います。たとえば、米ドルを105円で購入した場合、5円上がって110円になれば5円のプラス、5円下がって100円になれば5円のマイナスなので、資産価格が逆方向に動いた場合の損得の絶対値は同じ(方向は逆)になります。この場合、オプショナリティはありません。

 もっとも単純にオプショナリティがあるといえるのはオプションの買い持ち戦略です。例えば米ドルを100円で買う権利(コール)を2円で購入したら、オプションの満期まで保有した場合の最大損失は10円です。このとき米ドルが90円でも80円となっても損失は2円だけです。逆に満期日に米ドルが120円になっていれば100円との差額20円から購入コスト2円を引いた18円が利益になります。利益と損失が非対称的なので、下図のように相場が大きく動けばFXのロングポジションに比べて、利益が大きくなるか損失を小さく抑えることができる点が有利になり、それをオプショナリティがあると言います。eワラントはオプションと経済効果は同じなので、eワラントもオプショナリティがある投資です。

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 また、上がると利益が期待できるコールと、下がると利益が期待できるプットを組み合わせて、どちらでもいいから相場が大きく動けば儲かる両建てポジションにしても、オプショナリティがある投資になります。

 普通の投資でリターンを得るには、相場がどちらに動くか正しく予想することが必要です。現物株やFXでの買いポジションは相場が上昇することを前提としていますし、FXでショートすれば相場が下がらなければ儲かりません。

 一方、オプショナリティがある投資では相場がどちらかに大きく動けばメリットを享受できます。eワラントの買いやオプションの買いでは、予想した方向と同じなら利益が期待できますし、逆なら同程度のリスクを現物株やFXでとっていた場合に比較して損失を抑えることができます。このメリットは相場が大きく動けば動くほど大きくなります。以下に紹介するシナリオ別投資法はeワラントのオプショナリティを活かした投資戦略です。

■3大リスクイベントとシナリオ別銘柄選択例

①11月8日 米国大統領・議会選挙

 メインシナリオはクリントン氏の大統領当選で、選挙後は不確定要素の払拭と12月のFOMCにおける利上げが確実視されることで米ドルが急騰するかもしれません。一方のトランプ氏ですが、クリントン氏との支持率の差は決定的とは言えず、トランプ氏が勝利する可能性も残されています。もしトランプ氏が当選した場合は、世界的なリスクオフとなり、世界の株式は売られて米ドル対円相場は円高に大きく振れると考えられます。以上を踏まえると11月9日または12月14日に満期を迎える米ドルリンク債のコール型eワラントとプット型eワラントを両方買い付け、相場の方向性ではなく相場の大変動に備える両建て戦略が有効でしょう。選挙前の米ドル対円相場が104円付近であれば次の銘柄が投資対象候補となります。選挙結果が判明した9日から10日に売却しましょう。

米ドルリンク債 コール 第749回(権利行使価格104円、満期日12月14日)
米ドルリンク債 プット 第633回(権利行使価格104円、満期日12月14日)

②12月4日 イタリア国民投票

 イタリアのレンツィ政権は経済再建と政治的意思決定の迅速化などの改革を進めてきましたが、2016年6月の統一地方選挙において、レンツィ首相率いる与党民主党は結果を残すことができず、野党「五つ星運動」の躍進を許すことになりました。レンツィ政権は議会上院の権限を縮小する憲法改正法案を議会で通過させましたが、3分の2の多数に満たなかったことから、12月4日の国民投票に付されることになりました。この国民投票はレンツィ政権に対する信任投票の様相を呈しており、憲法改正が賛成となればレンツィ政権の信任となりますが、現状に変化はないためユーロ高、欧州株高となっても上値は限定的です。それよりも憲法改正反対という結果となると、レンツィ首相の辞任、五つ星運動によるイタリアのEUからの離脱推進、欧州株暴落、イタリア国債暴落、ユーロ暴落となる可能性がありますので、プット型eワラントで備えるべきでしょう。次の銘柄は2016年11月1日時点(日経平均株価17,500円付近、ユーロ対円相場115円付近)での試算に基づきます。国民投票前のタイミングで上で説明したシミュレーターで再度試算して銘柄を選びなおすことをお勧めします。

ユーロリンク債 プット 第390回(権利行使価格119円、満期日12月14日)
日経平均 プット 第691回 (権利行使価格17,500円、満期日12月14日)

③12月13~14日 FOMC

 2016年10月31日時点で、米国の金利先物取引に織り込まれている12月の利上げ確率は70%を越す状況となっており、市場では12月の米国利上げはほぼ織り込まれているものと考えられます。米国大統領選挙でクリントン氏が勝利した場合はこの確率はより高まるものと思われます。一方で、10月にイエレン議長は講演で高圧経済(high pressure economy)に言及しました。高圧経済とは簡単に言うと需要が供給を上回り、投資が活発化する経済のことですが、高圧経済下ではインフレーションが起こりやすいとされるため、イエレン議長はインフレーションを容認する、つまり、インフレーションに対応するための利上げを積極的に行わないということを考えていると解釈できそうです。この前提なら12月のFOMCではいったん米ドル高となるものの、上値の余地は限定され、逆に利上げ期待の後退から円高が進行する可能性があります。次の銘柄は米ドル対円相場が103円付近、106円付近の場合の投資対象候補となりますが、FOMCの直前の買い付けタイミングで権利行使価格が近いペアを選択しましょう。

米ドルリンク債 コール 第712回(権利行使価格103円、満期日1月11日)
米ドルリンク債 プット 第606回(権利行使価格103円、満期日1月11日)
米ドルリンク債 コール 第714回(権利行使価格106円、満期日1月11日)
米ドルリンク債 プット 第636回(権利行使価格106円、満期日1月11日)

 いずれのシナリオにおいても共通するのはイベントの直前で買い付けし、イベント終了後に売却するというものです。シナリオとは反対の方向に相場が変動した場合や、相場の変動が大きくない場合には損失となります。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田慎(おのだ まこと)


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