FOMCと日銀イベントの3シナリオと投資戦略

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小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

13日から14日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる予定です。今回のFOMCで米連邦準備制度理事会(FRB)は追加利上げをすることが確実視されています。注目はイエレンFRB議長の記者会見においてFRBのバランスシート縮小に関してどこまで踏み込んだ発言が行われるか、となるでしょう。また、今回はFOMCの後、15日と16日に日銀金融政策決定会合を控えており、FRBのスタンス次第で日銀も何かしらのアクションがあるかもしれません。

6月の追加利上げは市場に確実視されている

図は金利先物取引に織り込まれている6月、9月、12月のFOMCにおけるFRBの金利誘導目標、つまり米国の政策金利の発生確率です。現在の誘導目標が0.75%~1.00%ですので、6月において1.00%~1.25%となる確率、つまり今月14日に追加利上げが発表される確率は95.8%と予想されていることを示しています。市場には今月の追加利上げはほぼ確実と織り込まれていることになります。

9月については1.00%~1.25%となる確率は77.0%であり、1.25%~1.50%となる確率、つまり9月の追加利上げの確率は18.9%と予想されており、8割近い確率で9月の追加利上げは見送られると市場では予想されていることが分かります。12月については1.00%~1.25%の確率が53.1%ですので、今月の利上げを前提とすると、9月と12月の両方で利上げは見送られる確率が約5割、9月又は12月のどちらかに追加利上げがある確率が約3割、9月も12月も利上げがある確率は1割もない状況となっています。

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注目はイエレンFRB議長と黒田日銀総裁の記者会見か

今月の追加利上げがほぼ確実と考えられる状況において、市場の注目はイエレン議長の記者会見です。5月のFOMCの議事要旨ではFRBのバランスシート縮小について議論があったことが分かっていますので、今回の記者会見で年内のバランスシートの縮小について踏み込んだ話をするのかがポイントになります。

仮にイエレン議長が年内のバランスシートの縮小について強くコミットした場合、16日の金融政策決定会合後に行われる黒田総裁の記者会見が注目となります。日銀がFRBに追従して利上げを実施するとは考えにくいですが、黒田総裁が記者会見でFRBに歩調を合わせて日銀のバランスシート縮小に言及する可能性があると考えられるためです。

日銀による国債買い入れなどの量的緩和についてはその出口について指摘されることが多くなってきており、日銀も何かしらの出口戦略を考えていると思われます。日銀単独で量的緩和の出口に向かうと極端な円高になる可能性が想定されることから、日銀がバランスシートの縮小に踏み切る場合はFRBのバランスシートの縮小に歩調を合わせる可能性が高いと考えられます。

想定されるシナリオ

以上を踏まえると、想定される3つのシナリオと投資戦略は次の通りとなります。なお、各シナリオに記載の筆者想定確率は参考情報として記載した個人的な見解であり、ここに掲げたシナリオ以外の事象が発生する可能性もあることにはご注意ください。

1、イエレン議長が14日の記者会見で年内のバランスシート縮小をコミットし、黒田総裁も16日の記者会見で日銀のバランスシート縮小について言及する(筆者想定確率:60%?)

(投資戦略)
イエレン議長の発言により、円安米ドル高となることが想定されるものの、FRBのバランスシート縮小はある程度市場に織り込まれていることから、大幅な円安米ドル高にはならないと考えられます。このシナリオを前提とする場合、黒田総裁のサプライズ発言で円高米ドル安に振れると考えられるので、これに備えて米ドルのプット型eワラントを16日の黒田総裁の記者会見前までに仕込みたいところです。

投資資金が全部無くなるリスクを承知のうえで大きく狙いたいという前提なら、権利行使価格が相場よりもやや低めのプット型eワラントを16日に買い、同日の記者会見後日に売却します。例えば米ドル対円相場が110円~111円前後になっていれば7月満期の米ドルプット662回(権利行使価格109円)などです。シナリオが外れた際に大きな損失は避けたいのであれば相対的にリスクの低い11月満期の米ドルプット700回(権利行使価格122円)を16日に買います。シナリオ通りとなれば円高米ドル安トレンドが継続する限り保有を考えます。

2.イエレン議長が14日の記者会見で年内のバランスシート縮小をコミットするが、黒田総裁は16日の記者会見で日銀のバランスシート縮小について言及しない(筆者想定確率:30%?)

(投資戦略)
シナリオ1と同様にFRBのバランスシート縮小はある程度市場に織り込まれていることから、大幅な円安米ドル高にはならないと考えられます。黒田総裁の記者会見も相場を動かす材料とはならず、若干の円安米ドル高となるシナリオです。この相場が大きく動かないというシナリオを前提とするなら、動かない相場で強みを発揮するニアピン型eワラントを活用します。

7月満期の米ドルを対象とするニアピン型eワラントのうち、相場水準よりもピン価格(権利行使価格)が高めの銘柄を14日に買い、16日の黒田総裁の記者会見後に売却します。例えば米ドル対円相場がイエレン議長会見前に110円前後であれば米ドルニアピン960回(ピン価格112円)などです。16日以降も相場がピン価格(権利行使価格)から大きく動かないという想定であれば継続保有することで、ニアピン型eワラントの価格上昇を期待できます。

3.イエレン議長が14日の記者会見で年内のバランスシート縮小をコミットせず、黒田総裁も16日の記者会見で日銀のバランスシート縮小について言及しない(筆者想定確率:10%?)

(投資戦略)
FRBのバランスシート縮小については市場にある程度織り込まれていると考えられるので、イエレン議長がコミットしないことの方が相場に対するインパクトは大きいと考えられます。このシナリオを前提とする場合、コミットしないことによるサプライズで円高米ドル安に備えて米ドルのプット型eワラントを仕込みたいところです。ただし、これはメインシナリオではないので資金は絞るのが良いでしょう。

投資資金が全部無くなるリスクを承知のうえで大きく狙いたいという前提なら、権利行使価格が相場よりもやや低めのプット型eワラントを14日に買い、翌15日に売却します。例えば米ドル対円相場が109円前後であれば7月満期のドルプット658回(権利行使価格107円)などです。シナリオが外れた際に大きな損失は避けたいのであれば相対的にリスクの低い11月満期の米ドルプット700回(権利行使価格122円)を14日に買います。シナリオ通りとなれば日銀が追加緩和に出てくるとは考えにくいため円高米ドル安トレンドが継続する限り保有を考えます。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。


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