日本銀行のステルス・テーパリングは進行中?

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小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

米連邦準備制度理事会(FRB)は10月から米国債などの保有資産の圧縮を始めた一方で、日本銀行は量的緩和政策の出口、いわゆるテーパリングについて具体的な方針を示していません。しかし、2017年5月12日付けのコラム「日本銀行はすでに量的緩和の出口戦略を実行している?」にて日本銀行の国債保有残高の変化率が落ちてきていることを紹介したとおり、日銀は明示しないテーパリング、“ステルス・テーパリング”を着実に続けているのかもしれません。

2017年9月末時点で日本銀行が貸借対照表に資産計上した国債の残高は435.9兆円にまで膨らんでおり、テーパリングどころかむしろ増えているじゃないか、とご指摘を受けそうです。しかし、国債残高の変化率を見ると低下傾向が続いています(図1)。変化率が低下しているのは保有残高が膨らんだことが原因です。国債を一定額で買い続けていれば、保有残高が積み上がるほど変化率は小さくなります。例えば100兆円保有時の1兆円の買いは1%ですが、400兆円保有時の1兆円の買いは025%です。残高が大きくなるほどインパクトは小さくなります。

国債残高の変化率は0%を下回ると、これはテーパリングと言えるでしょう。変化率は0%に近づいていますが、2013年以降の日本株相場の上昇は量的緩和政策によるところが大きいと考えるのであれば、国債残高の変化率が0%以下になると日本株相場にとっては悪材料となると考えられそうです。直近の事例として2006年2月末には変化率がマイナスとなりましたが、その後の日本株相場はピークを付けて反落しています(図2)。国債残高の変化率が低下する、“ステルス・テーパリング”によって今年の年末にかけて日本株相場がピークを付ける可能性には注意したほうが良さそうです。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。


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