高付加価値の半導体とビットコイン相場

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小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

日米共に株式市場は上昇していますが、好調な株式市場のけん引役になっているのが半導体株です。半導体株が好調なのは半導体市況が上昇を続けているためですが、その背景には上昇を続けるビットコインの存在があるのかもしれません。

株式市場をけん引する半導体株

市場の注目を集めている米国株式の1つにエヌビディア(NVDA)がありますが、同社は半導体関連銘柄の代表格と言えるでしょう。米国の半導体関連株にはエヌビディアのほかに、ブロードコム(AVGO)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、クアルコム(QCOM)、インテル(INTC)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などがありますが、これらの半導体関連株を対象としたフィラデルフィア半導体株指数(SOX)という株価指数があります(なお、エヌビディアアドバンスト・マイクロ・デバイセズはeワラントの対象原資産になっています)。

図1はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)とS&P500指数の比較です。今年の株価の値動きを昨年末を100として指数化しています。図1から分かるように、今年の米国株式の上昇は半導体関連株がけん引したものと言えるでしょう。日本でも東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)など半導体関連株は堅調です(なお、東京エレクトロンとディスコはeワラントの対象原資産になっています)。

半導体株上昇の背景に高付加価値の半導体製品あり?

半導体関連株の上昇は半導体の受注が増加していることが要因ですが、半導体の製品市況は上昇傾向が続いており、製品需要が旺盛なのかもしれません。米SIA(Semiconductor Industry Association)の発表によると半導体の利用用途としては、スマートフォンなどの通信端末、PC/コンピュータでの利用が半分を占めています。しかし、1年前と比べるとスマートフォンなどの通信端末は2.6%シェアを減らしています。PC/コンピュータが0.2%のシェア低下に留まったのと比べるとシェアの低下が目立っています。なお、家電、自動車、産業/政府でのシェアが増えています。IoT家電、自動運転技術、人工知能といった分野での利用が増えているのでしょう。

ところで、PC/コンピュータ向けの半導体のシェアが大きく減っていないのは違和感があります。世界のPC出荷台数は右肩下がりだからです。図2のシェアは数量ではなく金額です。PC出荷台数は減っているのに金額で見た用途のシェアが落ちていないということは、PC向けの半導体製品が高付加価値化しているのかもしれません。

高付加価値の半導体製品として考えられるのは、FPGA、ASIC、ASSP※というものがあります。普段家庭や職場で利用するPCに入っている半導体製品はCPUなどですが、CPUだけでは何の処理もしません。CPUで動くソフトウェアが必要になり、高速処理には向きません。これに対してFPGA、ASIC、ASSPといった半導体製品は特定の処理に特化することで、ソフトウェアが無くても高速処理を実行することができます。自動運転車や人工知能といった分野での活用が見込まれています。
※FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific IC)、ASSP(Application Specific Standard Product)

ビットコインも半導体相場に影響?

すばやい処理、大量の処理、特定の目的の処理、で思いつくものにビットコインのマイニング(採掘)が挙げられます。ビットコインは大きな値動きや急騰していることが話題になっていますが、ビットコインを手に入れるには円や米ドルなどの法定通貨と交換することのほかに、マイニングという方法で手に入れることができます。マイニングをするには高速の計算処理が必要となりますが、ビットコインの急騰を受けて、高性能のコンピュータを大量に用意し、中国などの電力が安価な場所で大規模なマイニングが行われています。このマイニング用コンピュータにFPGA、ASIC、ASSPといった半導体製品が使われており、ビットコインの相場が上昇するほどマイニング参加者が増え、それによって高性能の半導体製品の需要がさらに高まるという循環になっていると考えることもできそうです。図2でPC/コンピュータ向けの半導体のシェアが大きく減っていないこと、米SIAの別の調査で中国での半導体売上がアメリカに次いで大きく伸びていることとも整合的です。

図3はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)とビットコイン(米ドル建て)の比較です。図1と同様に昨年末を100として指数化しています。ビットコインは6倍近くに上昇しており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の動きと比較しにくくなるため、右軸にしています。値動きの振れ幅が大きく異なるので統計的には値動きが似ていると言い難い点はありますが、図3からはフィラデルフィア半導体株指数(SOX)とビットコインの相場の方向性が似ていることが分かります。株式市場をけん引する半導体株の上昇の背景にはビットコイン相場の上昇も一役買っているのかもしれません。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。


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