株と為替の年末年始ギャップに投資するなら(2015/12/28)

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土居雅紹のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

株と為替の年末年始ギャップに投資するなら(2015/12/28)

年末年始のバタバタと忙しい時期は、一般に取引が薄くなることが多いとされています。一方、そこを狙って為替相場などで仕掛ける向きもあるようです。この結果、ポジションを抱えて年を越し、年初に「びっくり!」ということも珍しくありません。そこで年末年始の日経平均と米ドル/円レートの価格差(ギャップ)を調べてみました。

2001年以降は日経平均は年末から年始にかけて上がる?

図1は日経平均と米ドル/円レートの年末終値と年始始値の価格変化を見たものです。なお、日経平均は取引最終日(大納会)、取引開始日(大発会)で分かりやすいのですが、為替レートは世界標準時ベースのデータなので、年末年始の休みが日本より少ない前提で算出されている点に注意が必要です。

興味深いことに、米ドル/円レートは1991年の日本の株・不動産バブル崩壊以前において、ともかく年末年始に動いていたのですが、1992年(図中黄色点線)以降はぱったり動かなくなっているようです。日経平均も1991年まではよく動き、1992年以降は急に動きが小さくなっています。ところがITバブルが崩壊した2001年(図中緑点線)以降は日経平均は年末から年始に再び大きなギャップがあります。なお、2008年年初、2014年初、2015年初と3回例外がありますが、それ以外のときはギャップアップする方向に偏っているようです。

ちなみに2001年初~2015年初の15観測点の日経平均の変化率の平均は0.60%(日経平均2万円換算で120円上昇)、標準偏差は0.90%でした。2001年~2015年12月22日までの全営業日の日経平均の日次変化率は0.04%、標準偏差は0.75%だったので、「年末年始の日経平均の価格ギャップはプラス」ということに加えて、「年末年始の価格変化は平日よりも大きい」という可能性が考えられます。

doi-20151228-1

ソフトバンク、ファーストリテイリング、ミクシィも年末年始ギャップを見てみたら

年末にポジションを採って年初に手仕舞う手法を想定した場合、なんらかの規則性があるなら個別株投資にも妙味があるかもしれません。そこで、日経平均の構成銘柄のうち寄与率が高いファーストリテイリング(9983)、ソフトバンク(9984)と、新興市場の代表的な銘柄のひとつであるミクシィ(2121)の年末終値から年始の初値のギャップを同様に調べてみました(図2)

これらを見ると、2008年初は、3銘柄とも大きくマイナスギャップとなっています。しかし、2014年初と2015年初では、ソフトバンクとファーストリテイリングはマイナスだったものの、ミクシィは両年ともプラスになっていました。全体として、年越しの買い(ロング)ポジションはプラスになることが多そうで、特にミクシィではそれが顕著でした。

doi-20151228-2

「年忘れ 投資は忘れず ギャップ待ち」?

上記の結果から、年末年始の価格差を狙って大発会の終値でポジションを採り、年始の始値で反対売買を考えるのであれば、運用資産の数%程度に限定するのであれば、下記のような手法を試してみることも一案と思われます。

(投資案1)日経平均のギャップアップを狙う

例外はあるものの、年末年始は日経平均がギャップアップとなることが多いといえそうです。これが2016年初も同様と予想するなら、日経プラス5倍トラッカー18回(権利行使価格18000円、2016年4月13日満期)を12月30日に購入して年初に売却する手法が使えそうです。

(投資案2)日経平均の値動きの大きさを狙う

過去15年の年末年始の日経平均が多くの場合ギャップアップし、例外時には大きくギャップダウンしています。そう考えると、大きく動いたら収益を得ることができ、小さな値動きや逆方向でも損失が少なくてすむような手法が望ましいといえます。この場合、残存日数が少なくて単価が安く、ちょっとだけ受け取り(イン・ザ・マネー)になっていて時間経過にも相対的に強い日経平均コール886回(権利行使価格18,000円、2016年1月13日満期)を購入して年を越す手法がよさそうです。これなら、狙い通り日経平均が大きくギャップアップすればリターンが大きい一方、予想が外れて手仕舞った場合も、株価指数先物などを使うよりも最大損失を限定することができます。

(投資案3)個別株のギャップアップを狙う

個別株の場合、信用取引で年末に買いポジションを採ってギャップアップを狙うことも考えられます。しかし、統計的に確信を持てるというものでもないので、小額から投資できて細大損失が限定されるeワラントで、投下資金を限定した手法のほうが無難に思われます。

この場合、新興市場株が堅調と見るならミクシィコール10回(権利行使価格5000円、2016年2月17日満期)、ソフトバンクやファーストリテーリングなら、ソフトバンクコール377回(権利行使価格5000円、2016年9月14日満期)、ファーストリテーリングコール172回(権利行使価格41000円、2016年3月9日満期)などが、予想されるギャップの程度や時間経過の影響の少なさから判断して、年末年始のギャップアップ狙いの投資に適しているように思われます。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)


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