惑星逆行と日本株の関係は?(2016/06/27)

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土居雅紹のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

惑星逆行と日本株の関係は?(2016/06/27)

前回の本コラム『水星・金星・火星・木星の“逆行”現象と米ドル/円相場』 (2016/06/20)では、太陽系の地球に近い4惑星が“逆行”する現象と米ドル/円相場の関連について採り上げました。これについて、「今までなんとなく聞いていたけれども、しっかり調べてもらって参考になった」、「効果アリと決め付けるのではなく、データから客観的に分析するのは有意義」というコメントに加えて、「為替相場ではなく株式への影響を調べて欲しい」、「土星や天王星の逆行現象を調べていないのは残念」という声もありました。

そこで、土星・天王星・海王星も加えて、それらの順行・逆行と日経平均の値動きとの関係について調べてみました。

結果は、米ドル/円相場と日経平均の連動性が高いことから予想されるとおり、火星・金星・木星については、概ね同様の影響が確認されました。一方、海王星については影響がある可能性が確認できたものの、同時に公転周期が長い外惑星(地球の公転軌道の外側にある惑星)の順行・逆行の影響を考える際の問題点も浮き上がってきました。

■惑星の逆行(おさらい)

内惑星(地球の公転軌道の内側にある惑星)である水星と金星は、地球より速く太陽の周りを回っています。このため、地球から見ると太陽から離れる最大距離が決まっていて、その間を往復しているように見え、星座の間を順行・逆行を繰り返すことになります。公転周期が短い水星の逆行は115.9日(約3.8ヶ月)に一度、水星より公転周期が長い金星は583.9日(約1年7ヶ月)に1度逆行します(なお、逆行と次の逆行までの時間は会合周期といいます)。

一方、太陽から見て地球の外側になる外惑星(火星、木星、土星など)の場合は、地球よりもゆっくり公転しています。このため、地球が外惑星を定期的に“追い越す”ことになり、その際に逆行現象がおきます。地球が火星を“追い越す”逆行は2.135年(約2年2ヶ月)に一度しか発生しませんが、公転がゆっくりな木星はほぼ毎年地球が木星を”追い越す“ので1.092年(約1年1ヶ月)に1回発生します。

■火星・木星逆行時にレンジ相場になり、金星逆行時に荒れる?

図表1は2007年1月から2016年5月までの、日経平均の日次の騰落率、(相場の変化の大きさをみるための)騰落率の絶対値、及び日経ボラテリティ・インデックス(以下「日経VI」、オプション価格から推計される予想変動率の目安)と、水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星の順行・逆行の関係を調べたものです。

まず、日経平均の騰落率をみると、水星・金星・天王星・海王星の逆行時は平均すると下がっている一方、火星逆行時にはあまり動かず、木星・土星の逆行には平均すると上昇していたようです。しかし、統計的にはいずれも有意な関係は見出せなかったので、偶然そうなっていた可能性が高いことになります。

値動きの大きさを示す騰落率絶対値の平均でみると、金星逆行時と天王星逆行時には値動きが大きかったものの、これも偶然そうなった可能性を否定できません。統計的な有意が確認できたのは火星逆行時と木星逆行時は相場の値動きが小さくなる(レンジ相場になりやすい)ということでした。木星逆行時に値動きが小さくなるのは米ドル/円相場での確認されているので、それと整合性がある結果ともいえます。

さらに、その時点での市場参加者の相場の先行きに対する不安の指標の指標として、日経平均では日経VIが容易に入手可能なので、これで検証しました。結果は、金星逆行時に日経VIが高くなり(オプション価格が上昇=市場参加者の相場の先行きへの不安が高く、荒れ相場に多い)、火星逆行と木星逆行に加えて、海王星逆行時には日経VIが低くなる(オプション価格が下がる、市場参加者の相場急落への不安が後退)ことが分かりました。これも総じて米ドル/円相場での結果と近いものでした。

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■木星・火星逆行時には日経平均の値動きが小さくなる

図表2は日経平均と水星・火星・木星の逆行時期を表したものです。木星の逆行はほぼ毎年あり、またその期間も長い(図中茶色帯)にもかかわらず、総じて急落局面をうまく避けているようにも見えます。また、火星逆行(図中うす赤帯)は2年2ヶ月に1回(会合周期は779.9日)と出現頻度は高くは無いのですが、これも1日の変化幅自体は総じて小さい時期だったといえます。

なお、水星逆行については、米ドル/円相場と同様に、日経平均の値動きについても統計的に有意な関係は確認できませんでした。図でみたところ、2007年10月の急落、2008年9月のリーマンショック、2014年10月の急落、2015年9月の急反発といった相場の急変局面と、年に3回ある水星逆行が重なったため印象に残りやすかったという側面もありそうです。

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■金星逆行は日経VI上昇、木星・火星・海王星逆行は日経VI低下?

図表3は金星・火星・木星・海王星の逆行と日経VIを見たものです。5月(図中下方青棒線)と9-11月(図中下方赤斜線)を併せて表したのは、5月には日経VIが低く、9月から11月は日経VIが高くなることについて統計的に有意な関係が見出されたからです。

実際の日経VIの変動と4つの惑星の逆行の時期を比べると、確かに金星逆行時(図中黄色帯)には日経VIが急騰(オプション価格が急騰=予想変動率が上昇)した時期と重なることが多く、火星・木星・海王星逆行時には日経VIが低い(オプション価格低下=予想変動率は下落)時期が多いようにみえます。

なお、惑星逆行現象全般にいえるのですが、例えば、木星逆行と日経VI低下の関連性が99%の信頼度で統計的に有意と言っても、木星逆行で日経VIの値動きの大部分を説明できるほど影響が大きい訳ではなく、例外も多くなるという点に注意が必要です。実際、2016年1月の木星逆行時には、日経平均が大きく下落、日経VIも急上昇しています。

それを踏まえて、他の要因の影響が無いものとして考えた場合、日経VIが高くなることが多い金星逆行と、日経VIが高くなりやすい9月から11月は特に警戒が必要な時期といえそうです(2015年の金星逆行は2015年7月23日から9月5日だったので、終盤に日経VIが急騰した時期が相当)。逆に、日経VIが低くなりがちな火星・木星・海王星逆行と、これも日経VIが低くなりがちな5月が重なる時には、レンジ相場になることが多く、一方向に賭けたポジションは取りにくいと考えられます。

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■惑星逆行の重複を考慮して、土星・天王星・海王星をはずすも一案か?

図表4は土星・天王星・海王星の逆行時期と日経平均の推移を表したものです。「今年の○○の逆行は…」と聞き流す限りはあまりピンとこないのですが、図にしてみるとそれぞれの逆行期間の長さと重複具合がよく分かります。実際、土星と天王星、あるいは土星と海王星の逆行時期を併せてみると、1年のうちのかなりの期間がどちらかの星の逆行期間になってしまいます。

また、天王星と海王星は、それぞれの公転周期が極めて長いため(天王星は84.25年、海王星は164.79年!)、過去10年ではほぼ同じ時期(5月から11月、図中下部茶帯)に逆行が発生していました。このため、10年程度のデータでは、重複する逆行期間が極めて長いことに加えて、逆行期間が重なってしまい、各月のアノマリーとの切り分けが難しくなります。ところがもっと長い計測期間にすると、日経平均や米ドル/円相場を取り巻く情勢が変わりすぎていて、分析の有効性が疑わしくなってしまいます(例えば、分析期間を少し変えるだけで、海王星の影響と出たり、天王星の影響と出たり、5月や6月といった月別アノマリーの影響という結果になったりすることが想定されます)。

これらを考慮すると、地球からかなり遠い外惑星である土星・天王星・海王星については、なんらかの影響がある可能性が残るものの(特に海王星)、そのままでは投資には活かしにくいといえそうです。

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■投資に活かすなら

日経平均の値動きが小さくなり、予想変動率(日経VI)が低い傾向がある火星・木星逆行のアノマリーが今後も継続すると考えるのであれば、レンジ相場で収益を得ることが期待できる日経平均ニアピン(eワラント)で、スポット相場に近いものを購入する戦略が有効と思われます。また、それぞれの逆行期間終了後に相場が動き出す可能性を考えて早めに手仕舞うことも一案でしょう。火星逆行はまさに現時点(2016年4月17日から6月30日)ですが、4月末の日銀会合や6月23日(現地)のイギリスのEU離脱についての国民投票という大イベントではアノマリーの効果は限定的だったようです。その次は2年2ヶ月先です。なお、次回の木星逆行は2017年2月7日から2017年6月10日です。

一方、予想変動率(日経VI)が上がりやすい金星逆行は、次回が2017年3月2日から4月13日です。このアノマリーが継続すると考えるのであれば、(相場の急落や不安の高まりを予想して)直前に日経プットを買う、マイナス3倍トラッカーを買う、日経ミニ先物でショートする、または(相場がどちらかに大きく動くと考えて)日経コールと日経プットの両建てポジションに投資する、上下に大きく離れた日経平均ニアピンの両端買うといった戦略が有効と考えられます。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)


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