英EU離脱ショック時の赤札銘柄から次の暴落時の対策を探る(2016/08/01)

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土居雅紹のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

英EU離脱ショック時の赤札銘柄から次の暴落時の対策を探る(2016/08/01)

かつて証券会社が手書きで株価を店頭に表示していた時に、上昇していれば赤いチョークで書いたとか。今でも、多くの証券会社のホームページでは騰落率がプラスなら赤、マイナスだと青になっています(ちなみに外国の金融ポータルサイトや国内IT系のサイトでは、上昇したら青か緑、下落したら赤と、一般的な色使いと同じです)。
この伝統をうかがわせる投資格言が「暴落相場の赤札銘柄は買い」で、多くの銘柄が下がっている中で、“赤札”で表示されている逆行高銘柄は基調が強いから買うべし、という意味です。そこで、直近で株式相場が急落した2016年6月24日の英EU離脱ショック時の赤札銘柄のパフォーマンスが実際にどうだったのか調べてみました。

■6月24日に逆行高した銘柄の値動き

英EU離脱に関する国民投票が行われたのは6月23日でしたが、世界の主要株式市場の中で真っ先に影響を受けたのが翌24日の日本市場でした。日経平均は前日比1286円33銭安と7.9%もの下落となりました。この時点でTOPIXとマザーズ総合指数の構成銘柄は2,178銘柄ありましたが、上昇率がプラスになったのはそのうち僅か9銘柄でした。

図1は6月24日の“赤札銘柄”となったソフトクリエイトHLDG(3371)、エイティング(3785)、東京鐵鋼(5445)、フリークアウト(6094)、インスペック(6656)、西松屋チェーン(7545)、フォーバル(8275)、エフ・ジェー・ネクスト(8935)、U-Next(9418)の6月1日から7月22日までの値動きをみたものです。

図の赤縦点線が6月23日で、赤縦線が英EU離脱判明後の6月24日です。赤札9銘柄の直前の値動きは全体的な傾向としては数日前から上昇していた銘柄の方がその後の値動きがよかったようです。これらのうち、東京鐵鋼(5445)は直前にアクティビストによる買い報道があり、西松屋チェーン(7545)は6月17日の決算報道が好感されていたようです。同様に、エフ・ジェー・ネクスト(8935)は6月23日に自社株買いを発表していたので、これらは暴落時の赤札となった理由が分かりやすかったといえます。

エイティング(3785)はコロプラによるTOBで上場廃止が決まっていて価格が実質的に貼り付いていたので、本来の赤札銘柄とはいえないかもしれません。それ以外の銘柄は、業績堅調で海外ファンドなどの継続的な買いが入っていたと推測されるもの、単に流動性が低く価格がつきにくいもの、マザーズ銘柄にありがちな仕手銘柄のような荒っぽい値動きとなっていたものなどがありました。

doi-20160803-1

■赤札銘柄は全部まとめて投資するのも一案?

図2は上記の6月24日赤札9銘柄の平均パフォーマンスを、日経平均とマザーズ総合指数の値動きと比較したものです。これをみると赤札9銘柄にまとめて投資した“英EU離脱ショック時赤札銘柄平均”(図中緑線)のパフォーマンスが一貫して堅調だったことが分かります。24日の急落時に逆行高となっただけでなく、その後も7月上旬まで上げ続け、一時は20%超もプラスになりました。これは、日経平均よりも早く立ち直ったマザーズ総合指数よりもさらに良いパフォーマンスでした。

なお、赤札銘柄からTOB関連で価格がほとんど動かなくなったものや、時価総額が小さく流動性が低い銘柄を除外できれば、さらにパフォーマンスが向上できる可能性はありそうです。一方、仮にそれらを含んでいたとしても投資資金が都合できるなら、暴落時の赤札銘柄にまとめて投資して、2週間程度で手仕舞う投資手法は手間要らずのメリットが大きく、一考の価値がありそうです。

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■次の暴落に活かすには

今回のように暴落時の赤札銘柄が総じて2-3週間程度は日経平均よりも堅調となりそうという想定なら、今後の株価暴落時には以下のような投資が有効となる可能性がありそうです。

◎暴落時の赤札銘柄を翌日に全銘柄購入し、その後2週間保有して売却する
◎赤札銘柄全銘柄を購入すると同時に、3分の1の金額で日経平均マイナス3倍レバレッジトラッカーを購入してアルファ(赤札銘柄のパフォーマンス-日経平均のパフォーマンス)だけを狙い、2週間で手仕舞う
◎一晩かけて赤札銘柄の内容を精査し、3銘柄程度に絞って購入し、2週間で手仕舞う
◎マザーズ指数が日経平均よりも戻りが早かった点に着目し、eワラントやレバレッジトラッカーのうちマザーズ銘柄に等金額投資をし、2週間で手仕舞う(数万円程度から実行可能な点がメリット)

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)


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