ようやく豪ドルは調整か?米中関係緊張
- 2020/5/22
- 佐藤りゅうじブログ

米中関係の緊張が、高まってきた。今日から始まった全国人民代表大会(全人代)で、李克強首相は、「香港統治で一国二制度を堅持する」、「国家安全巡り香港の法律を完全なものにする必要がある」と述べた。また、台湾については、「台湾の市民には独立運動への反対を奨励」とした。
昨日、トラン米大統領は、「中国が香港に国家安全法を導入した場合、米国として対処する方針だ」と述べている。また、米国務省は、台湾に魚雷18発を1億8000万ドル(約190億円)で売却することを承認したと発表した。
否が応でも、米中関係は緊張する。ただ、現在、起こっていることが、米中の覇権争いであるなら、この事象は少なくとも5年、10年のスパンで考える必要がある。その意味では、きのう、今日の出来事は、ほんの序章の序章に過ぎない。また、11月の米大統領選で、トラン米大統領が負けたとしても、状況がドラスティックに変わることもない。産業構造、政治体制に大きな変化がないからだ。
なんて、大風呂敷を広げてしまったが、米中関係、正確には、文明の衝突と考えている。この件をあまり突っ込んでもしょうがないので、市場に与える影響をみると、香港ハンセン指数が6%弱の急落となり、オンショアでは、人民元が対ドル下落し、4月2日以来の安値水準まで軟化している。
市場全体としても、リスクオフとなりつつある。為替市場で考えると、オージーがやや軟化している。この通貨、3月下落から非常に強い動きをみせてきたが、0.66台乗せに失敗し、タイミング的にも、そろそろ調整安になってもいいころ合いだ。豪中関係が緊張しているにも関わらず上げてきた相場でもある。まずは、0.6500付近が支持になろうが、これを下抜くと、売りが加速する可能性もあるとみる。まぁ、個人的には、0.6600をバックに売りで臨んでいる。