☆今宵は米GDPにご注意を!ドル全面高も一服か
- 2015/5/29
- 佐藤りゅうじブログ

今週は、ドル円が12年半ぶりの高値124.46円まで上昇するなど、久しぶりに値動きが激しい。今週の28日までの値幅は3.01円となっており、今年最大の値幅だ。もっとも、今年は、ユーロドルなど他の主要通貨が、500ポイントを超える週間の値幅を付けていることもあるので、いままでのドル円の値幅が大人し過ぎたのだろう。
・米GDPはマイナス成長
さて、きょうで今週も終わりだが、今夜は米第1四半期GDP改定値が発表される。事前予想では、前期比年率がマイナス0.9%と1年ぶりのマイナス成長が予想されている。今年の米第1四半期は、寒波に加え、西海岸の港湾ストもあり、米経済の停滞は予想通りといえ、マーケットもマイナス成長をある程度織り込んでいるとみる。ただ、ポジションがドル買いに偏っている通貨が多いので、テロップに流れるマイナス成長の幅が、事前予想より大きいと、ドル売りが殺到することも考えられる。
・米政府からチクっと!
また、ドル・円について言えば、きのうルー米財務長官に最近の円安についてチクリとやった。麻生財務相が慌てて「足元の円安方向、この数日間をみれば荒い動きがある」と発言し、円買いが先行する場面があった。市場は、まだ、米政府が本気でドル高・円安を是正しようとは思っていないとみており、その後、盛り返している。ただ、米政府が動き出していることには覚えておいて方がいい。彼らが、本気で円安を問題にすれば、円安局面は終了する「国策に売りなし」と株式市場で言われるが、それは為替市場でも同じだ。為替市場を仕切っているのは、米国であり、日本ではない。米国が円安にノーを突き付ければ・・・ということだ。
・125円は遠のいたか
今週の値幅や、米政府の動き、そして日柄等考えると、今回の5月18日からのNY勢主導のドル高・円安場面で、125円を取るのは難しいように思う。なお、下値だが、123.40-60円あたりがポイントだろう。この水準は、27日のNY序盤、きのうの東京序盤、ロンドン早朝、NY終盤、そしてきょうの東京序盤と5度も支持されている。ここを割ってくると、買い方の手じまいが加速するとみる。
T.G.I.F