4月1日の注目指標②・・・2022年3月ISM製造業景況指数
- 2022/4/1
- 経済データBOX

日本時間1日23時に3月のISM製造業景況指数が発表されます。大方の予想は59.0となっており、前回の58.6から上昇するとみられています。なお、3月24日にS&Pグローバルから発表された3月の米製造業PMI速報値は58.5と前月の57.3から上昇しています。
◆前回は…
2月のISM製造業景気指数は58.6(市場予想58.0)と、2020年11月以来の低水準となった前月の57.6から上昇しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響が薄れ、予想以上に回復しました。ただ、雇用の増加ペースは鈍化しました。
内訳では、先行指標となる新規受注指数が61.7に上昇しました。前月は57.9で、20年6月以来の低水準です。雇用指数は52.9に低下しました。前月は54.5と、10カ月ぶりの高水準でした。受注残指数は65.0と1月の56.4から上昇しました。8.6ポイントの上昇は2011年1月以降で最大です。1月は6.4ポイント低下と20年4月以降で最大の低下でした。供給業者の納入を示す入荷遅延指数は66.1で、前月の64.6から上昇しました。50を上回ると納入の遅れを意味します。支払価格指数は75.6と前月の76.1から低下しました。ただ、高止まりは続いており、高インフレが当面続く可能性を示唆しました。
◆ISM製造業景況指数(ISM Manufacturing Report on Business)の見方は…
ISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されます。米国の主要経済指標の中でもっとも早く発表され(毎月第一営業日に前月の調査結果が発表)、企業のセンチメントを反映し景気転換の先行指標とされることから、市場の注目度は極めて高い経済指標です。
アンケート内容は、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫、顧客在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。また、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫の5項目を加重平均して算出したものは、PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM製造業景況指数の主要指数となっています。50が景気動向の良し悪しを測る分岐点となり、50を上回ると製造業の景気が拡大、下回ると製造業の景気が後退していると考えられます。
ISM製造業景況指数を見るうえで、PMIが最も重要ですが、詳細な各指数をチェックすることも大事です。新規受注指数が50を超えていれば、製造業の先行きは明るいとみることができ、この先の経済活動がどうなるかを予測することができます。
雇用指数は、製造業の労働市場の現況を把握することができます。同指数が50を超えていれば、製造業の雇用が順調に伸びていると考えられます。
また、インフレ指標として支払価格指数や入荷遅延指数なども注目されています。
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/