豪ドル上昇、豪中銀もついに利上げか
- 2022/4/5
- 経済データBOX

オーストラリア準備銀行(RBA)は5日、政策金利を0.10%に据え置きました。ただ、金融引き締めに「忍耐強く対応する用意」としていた文言を削除したことが金融引き締めに向けた一歩として捉えられ、豪ドルは対ドルで昨年6月以来の0.76ドル台へ上昇しています。
ロウRBA総裁は、「今後数カ月間に、インフレ率と労働コストに関する重要な追加情報が得られるだろう」と述べ、政策を決定するうえで追加情報を精査する方針を示しました。
今年1月にオーストラリア連邦統計局から発表された2021年第4四半期の消費者物価指数は、コアインフレ率(トリム平均値)が前年比2.6%上昇と2014年以来の大幅な伸びを示しています。今月27日に発表される2022年第1四半期の同指数は、一部では前年比で3%台に達する可能性が指摘されています。
また、2月23日に発表された2021年第4四半期の賃金価格指数は前年比で2.3%上昇とRBAがインフレ率を目標水準に維持するために必要と主張する3%超には達していません。ただ、豪失業率は予想を上回るペースで改善(2月、4.0%)しており、2008年に同水準まで改善した時期の賃金上昇率は4%を超えていました。
コアインフレ率が中銀目標(2~3%)を上回る見込みに加え、雇用状況から賃金上昇率の伸びが期待できるため、RBAが超低金利の継続を正当化するのは難しく、政策金利は早ければ6月、また8月や9月の利上げを予想する向きが増えています。