ドル高材料に敏感? 米CPIの結果は…
- 2022/4/12
- 経済データBOX

日本時間12日21時30分に3月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比1.2%上昇、前年比8.4%上昇、CPIコアは前月比0.5%上昇、前年比6.6%上昇となっています。先月の数値はロシアのウクライナ侵攻を受けた原油価格の急騰などが反映されていないため、今月も総合、コアともに伸び率が高くなることが見込まれています。
現在は、ドル高の材料に敏感になっており、予想よりも大きな伸びが示された場合は、金利上昇に伴ってドル買いが優勢となりそうです。ただ、予想を下回った場合は、グッドフライデーを前にポジション調整の動きが誘発され、為替を始めとして金融市場全般が乱高下する可能性もありそうです。
◆前回は…
2月の消費者物価指数は、CPI総合が前月比0.8%上昇、前年比7.9%上昇、CPIコアが前月比0.5%上昇、前年比6.4%上昇となりました。前年比ベースではCPI総合が1982年1月以来、CPIコアが1982年8月以来の高い伸びでした。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを正当化する結果となったため、発表後は金利上昇に伴うドル買いが優勢となりました。
品目別を前年比ベースでみますと、食料品が7.9%上昇と伸びが加速しました。ガソリンは38.0%上昇と伸びが鈍化しました。米国内のガソリン小売価格は1ガロン=4.196ドル(4月11日時点、EIA)と高止まりしていますが、約1年前の2.939ドルから大きく乖離している水準が続いています。財では中古車・トラックが41.2%上昇と高く、サービスでは住居費が4.7%上昇と伸びが加速、航空運賃は旅行需要の高まりを反映して12.7%上昇と大きく伸びています。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。
一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数は、食品13.4%、エネルギー7.4%、財21.8%、サービス57.4%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm