米ガソリン価格は高止まり、米国の消費意欲は…
- 2022/5/17
- 経済データBOX

日本時間17日21時30分に4月の米小売売上高が発表されます。大方の予想では、前月比1.1%上昇と前月(改定値0.7%上昇)から伸びが強まる見通しです。変動の大きい自動車を除いたコア指数は同0.4%上昇となっています。
全米自動車協会によると、平均ガソリン価格は1ガロン当たり4.48ドル(5月16日時点、https://gasprices.aaa.com/expensive-milestone-nearly-every-state-above-4-per-gallon/)と高止まりが続いています。春休みとメモリアルデーの狭間による季節的なガソリン需要の落ち込みから、前月に指数全体を押し上げたガソリンスタンドの伸び悩みが警戒されます。予想よりも下振れした場合は、各市場とも景気減速懸念が意識されやすくなりそうです。
◆米小売売上高(Retail Trade and Food Services)の見方は…
GDPの約7割を個人消費が占める米国において、個人消費のトレンドを把握することができるため、米小売売上高は非常に重要な指標と言われています。百貨店やスーパーなどの小売業の売上高を、無作為に抽出した約5,000社を対象としたサンプル調査に基づき、米商務省調査局(U.S. Bureau of the Census)が推計・発表しています。
総合指数や変動の大きい自動車を除いたコア指数、項目別では自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と前年比、実額が発表されます。また、調査する対象は耐久財と非耐久財に⼤別され、GDPの個人消費支出の算出に使われているコア指数が注目されます。
実際に調査した⽉から2週間後に発表されるため、速報性が高く、景気の先⾏指標として捉えられます。小売売上高が前月比で増加すると、個人消費は堅調と判断できます。一方、前月比で減少すると、個人消費が落ち込んでいると判断されます。また、例年1⽉に発表される数値には、前年のクリスマス商戦の結果が反映され、最も消費が旺盛な時期の米国の消費者マインドをみるために特に注目が集まります。10⽉に発表される数値には、米国の学校の新学期である9⽉の情勢が反映されています。
ただ、月ごとの変動が大きいため、トレンドの見極めが難しく、修正が大きくなる場合もあります。また、インフレ率を調整していないため、投資判断が難しいとする見方もあります。
リリース日:https://www.census.gov/econcards/calendar-listview.html