BOEは5会合連続での利上げ予想、注目は利上げ幅
- 2022/6/16
- 経済データBOX

日本時間16日20時に英国の政策金利が発表されます。大方の予想では、現状の1.00%から1.25%に引き上げ、5会合連続での利上げが予想されています。
ただ、13日に発表された4月の英GDPが前月比0.3%減と2カ月連続でマイナスとなり、同国の景気減速懸念やスタグフレーションが意識されやすくなっています。予想通りの利上げとなった場合でも、単純にポンド買い圧力が強まりにくい状況となっています。
5月のMPCでは、0.25%の利上げを決定し、保有資産の圧縮に向けた方針を表明しました。利上げについて、MPCメンバーのうち6人が0.25%の利上げを支持し、残る3人は0.50%の利上げを主張しました。また、物価見通しについては今年第4四半期に10%を超えると上方修正し、成長率見通しについては、22年は3.75%と従来見通しを維持しましたが、23年は0.25%のマイナス成長と下方修正しました。
◆スタグフレーション(Stagflation)とは
景気後退時に、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇(インフレ)していくことをスタグフレーションと呼びます。景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。
◆英金融政策委員会(Monetary Policy Committee)とは
MPC(Monetary Policy Committee)は、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)に設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む5名の英中銀内部の委員と4名の外部委員の計9名の委員で構成され、年間8回会合を開きます。政策金利の対象は、中央銀行の預金金利であるBank Rateとなります。
また、年8回のMPCのうち、2月、5月、8月、11月開催の4回はスーパーサーズデーと呼ばれ、四半期インフレ報告が同時に発表され、その後、総裁による記者会見が行われます。
なお、2016年まで毎月開催されていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)にならい、2017年から年8回に減らしています。
◆MPCボードメンバーの分布図(5月9日時点)
-タカ派-
サンダース(Saunders)委員 ★5月会合で1.25%へ引き上げ提唱
マン(Mann)委員 ★5月会合で1.25%へ引き上げ提唱
ハスケル(Haskel)委員 ★5月会合で1.25%へ引き上げ提唱
ラムスデン(Ramsden)副総裁
ピル(Pill)理事
-ハト派-
カンリフ(Cunliffe)副総裁
テンレイロ(Tenreyro)委員
ブロードベント(Broadbent)副総裁
ベイリー(Bailey)総裁
発表元:https://www.bankofengland.co.uk/
リリース日:https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy/upcoming-mpc-dates