米経常赤字は拡大予想
- 2022/6/23
- 経済データBOX

日本時間23日21時30分に2022年第1四半期経常収支が発表されます。大方の予想では、経常赤字が2747億ドルと2021年第4四半期から赤字額が拡大するとみられています。
なお、3月に発表された2021年の経常赤字は、前年比33.4%増の8216億ドルと過去最大となりました。対GDP比率は3.6%で、2020年の2.9%から上昇しています。
◆米経常収支(Current account)とは
経常収支とは、国際収支のなかの一項目で、一定期間における一国の海外とのモノやサービスの取引、経済取引で生じた収支を示す経済指標です。米国では、商務省経済分析局(BEA:Bureau of Economic Analysis)が四半期ごとに集計し、計測期間の翌々月20日前後に発表します。
経常収支の内訳には、モノの輸出入による「財の貿易収支」、輸送や旅行、特許使用料などを対象とする「サービス収支」、配当金や利子収入などを対象とした「第一次所得収支」、対価を伴わない無償資金援助などを対象とした「第二次所得収支」があります。
経常収支をみるときのポイントは、国の経済全体を示すGDPに対する赤字額の大きさを把握することだといわれています。また、ある時点の赤字額だけで判断するのではなく、景気の局面で経常収支は大きく変動するため、一定期間にわたってみることが大事です。
一般的に、景気が後退している時は経常収支が悪化し、景気が回復してくると経常収支も改善します。経常赤字が健全かどうかを測る目安として、GDP比で5%(米国は例外)と考えられています。特に、経済規模が小さい国で経常赤字が5%を超えると、通貨危機の可能性が高まってくるとみられています。逆に、新興国の中でコンスタントに経常黒字の大きい国は将来有望であり、投資対象として魅力的といわれています。
なお、米国は新興国とは違い、経常収支について特殊な立場にあるとみられていました。米ドルが基軸通貨である以上、通貨危機に見舞われることはなく、経常赤字を続けていけると考えられたからです。ただ、こうした見方に対しては、近年では疑問の声が大きくなり、仮想通貨も周知のように台頭してきています。
発表元:https://www.bea.gov/
リリース日:https://www.bea.gov/news/schedule