ミシガン大消費者信頼感指数、期待インフレ率に注目
- 2022/8/12
- 経済データBOX

日本時間12日23時に8月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表されます。大方の予想では、52.5と前月から改善する見通しです。なお、現況指数が59.0、期待指数が48.4とともに改善する見込みとなっています。
6月にパウエル米FRB議長が、同統計の期待インフレ率に言及しており、基調的なインフレ動向を把握するうえで、同指数の注目度が高まっています。また、8日に発表されたNY連銀の7月の消費者調査では、期待インフレ率は1年先、3年先、5年先と軒並み低下しています。
米ミシガン大の期待インフレ率が前月から低下すると、米FRBが9月のFOMCで75bpの利上げを行うとの観測が一段と後退し、米金利安やドル安となる可能性が出てきそうです。
◆米ミシガン大消費者信頼感指数(University of Michigan Survey of Consumers)とは
米国の消費者マインドを表す経済指標で、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施しています。1966年を100として、速報は300世帯、確報は500世帯を対象に、現在と将来の景況感、雇用状況、所得などの項目について「楽観」、「悲観」で回答してもらった結果を指数化し、原則、速報値は毎月第2金曜日、確報値は最終金曜日に発表されます。
指数項目には、コンファレンスボード(Conference Board、全米産業審議委員会)の消費者信頼感指数(CCI)と同様に、現状への評価を示す「現況指数」と、先行きに関する「期待指数」があり、米連邦準備制度理事会(FRB)が注視していると言われる期待インフレ率も公表されます。
なお、CCIよりも対象人数が少ないため、統計はブレが大きくなります。このため、アメリカの現状の景況感を測るうえでの信頼性は、ミシガン大学よりもコンファレンスボードのほうが高いと言われています。しかし、発表時期が早いため、CCIの先行指標として注目され、一般的にはミシガン大学の速報値で最近の動向をチェックし、コンファレンスボードの指数で確認するというのが良いと考えられています。
◆期待インフレ率とは
実際に起きた物価上昇率ではなく、消費者や企業、市場などが予想するインフレに対する将来の予測値で、予想インフレ率とも呼ばれます。金融市場では、債券利回りから求めるブレークイーブンインフレ率(BEI:Break Even Inflation rate)が有名ですが、物価に関するアンケート回答を集計して求める方法など、期待インフレ率を計測する手法は多岐に渡ります。
発表元:https://data.sca.isr.umich.edu/
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