企業投資の底堅さは続くか、米耐久財受注で測る
- 2022/8/24
- 経済データBOX

日本時間24日21時30分に7月の米耐久財新規受注(速報値)が発表されます。大方の予想は、前月比0.6%増、変動の大きい輸送用機器を除いた前月比が0.2%増、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の前月比が0.3%増となっています。
今月3日に発表された6月の米製造業新規受注では、耐久財新規受注が前月比2.0%増と先月27日に発表された速報値(同1.9%増)から上方修正されました。また、コア資本財の新規受注も同0.7%増と速報値(同0.5%増)から上方修正されるなど、金利上昇や景気後退懸念にもかかわらず、企業投資が堅調だったことが示されています。
ただ、耐久財受注の数値はインフレ調整されていないため、増加は新たな投資というよりも価格上昇を部分的に反映したものとの指摘もあります。今月発表されたNY連銀とフィラデルフィア連銀の景況感指数では、新規受注はともにマイナスになっていますので、予想よりも伸びは小幅になる可能性もありそうです。
◆米耐久財受注(Durable Goods Manufacture’s Orders)とは
米耐久財受注とは、米製造業新規受注の項目のひとつで、企業が受注した耐久財の総額のことです。耐久財とは3年以上の使用に耐えられる消費財のことで、それに含まれる代表的商品は自動車、航空機、家電製品、家具、機械設備などです。
製造業新規受注が翌々月の月初に公表されるのに対し、耐久財受注は翌月下旬に速報値が公表されるため、生産や設備投資の先行指標として市場の注目度が高い指標です。なかでも、景気動向とは関係なく発注され、かつ金額が大きいもの(国防用資本財と民間航空機)を除いたコア資本財は重要視されています。
民間企業が製造用機械の設置や工場の建設など積極的な設備投資を行う時は、製品の売れ行きが伸び、増産しても売れると見込める時です。つまり、景気が良い時には設備投資が活発化し、景気が悪い時には低迷しますので、民間企業の設備投資動向を把握することは、景気動向を測るうえで重要になります。
発表元:https://www.census.gov/
リリース日:https://www.census.gov/econcards/calendar-listview.html