ISM非製造業景況指数は低下予想も50は維持
- 2022/9/6
- 経済データBOX

日本時間6日23時に8月のISM非製造業景況指数が発表されます。大方の予想は、55.1と前月から低下する見込みですが、景況感の分岐点である50は維持する見通しです。
先月23日にS&Pグローバルから発表された8月の米サービス業購買担当者指数(PMI)速報値は44.1と2020年5月以来の低水準に低下しています。また、ISM非製造業に先立って発表(22時45分)される8月の米サービス業PMI確報値の事前予想は44.3と速報値から上方修正される見込みです。
米ガソリン価格(全米自動車協会によると、9月5日時点の米ガソリン平均小売価格は1ガロン=3.786ドル)の下落が実質可処分所得の増加に繋がり、サービス業の当面の見通しを明るくさせているとの見方があります。先月同様、予想に反して上昇した場合は、米景気後退への懸念が緩和しそうです。
◆ISM非製造業景況指数(Services ISM Report on Business)の見方は…
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、非製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されるもので、毎月第三営業日に前月の調査結果が発表されます。
アンケート内容は、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入、在庫景況感の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。そのうち、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の4項目を加重平均して算出したものを、Services PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM非製造業景況指数の主要指数となっています。ISM製造業景況指数同様、50%が景気判断の分岐点となっています。
雇用やGDP(国内総生産)面で、銀行や商店、卸売りなどサービス業が占める割合は大きく、また米雇用統計よりも先に発表されることも多いため、投資家やエコノミストらが雇用統計の先行指標として注目します。
ISM非製造業景況指数のなかでも、新規受注指数は先行性の高い指標と言われます。また、輸出用受注指数は将来の状況を予測するうえで重要な指標となります。両指数のいずれか、あるいは両方が分岐点である50をコンスタントに超えていると、今後サービス業が伸びてくると考えることができます。
ただ、ISM非製造業景況指数は1998年から公表された新しい指標で、データが信頼性に欠けると考える人もいます。また、数値の振れが大きくなりやすい傾向があるため、指数の方向性でなく、コンスタントに50を超えているのかどうかを見るのがポイントと言われています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/