前月の二の舞? CPIの結果は
- 2022/10/13
- 経済データBOX

日本時間13日21時30分に9月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.2%上昇、前年比8.1%上昇、CPIコアは前月比0.5%上昇、前年比6.5%上昇となっています。
ガソリン価格の下落を反映し、前年比ベースではCPI総合の伸びが鈍化する一方、住居費の上昇傾向からCPIコアは伸びが加速すると予想されています。ただ、前日に発表された9月の生産者物価指数は市場予想を上回る伸びとなったことで、CPI総合が前月を上回る伸びとなり、広範な物価上昇圧力が示された場合は、債券安・株安・ドル高につながりやすくなりそうですが、為替市場では日銀の介入警戒感などから円絡みは違った反応になりそうです。
◆前回は…
8月の消費者物価指数は、CPI総合が前月比0.1%上昇(事前予想0.1%低下)、前年比8.3%上昇(同8.0%上昇)、CPIコアが前月比0.6%上昇(同0.3%上昇)、前年比6.3%上昇(同6.0%上昇)となりました。
同発表を受けて、9月のFOMCでの75bpの利上げを織り込み、米10年債利回りが3.433%まで上昇したほか、ダウ先物は350ドル超下落しました。為替市場ではドル円が142.00円レベルから144円台半ばまで急伸する反応をみせました。
なお、品目別を前年比ベースでみますと、ガソリンが25.6%上昇と7月の44.0%上昇から伸びが鈍化しました。一方、食料品11.4%上昇と4カ月連続で2ケタ台の伸びとなったほか、物価全体の3割程のウェートを占める住居費が6.2%上昇と伸びが加速しました。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。
一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(1月時点)は、食品13.4%、エネルギー7.4%、財21.8%、サービス57.4%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm