米景況感は悪化傾向、ISMは?
- 2022/11/1
- 経済データBOX

日本時間1日23時に10月のISM製造業景況指数が発表されます。大方の予想は50.0と前回の50.9から低下するとみられています。
先行指標である10月のNY連銀製造業景況指数はマイナス9.1、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス8.7、前日に発表されたシカゴ購買部協会景気指数は45.2とそれぞれ景況感の分かれ目を下回っています。
また、米S&Pグローバルが発表した10月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値は、総合が47.3、製造業が49.9、サービス業が46.6と米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げや高インフレによる景気悪化を裏付ける内容となっています。
米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計などのビックイベントを控えているため、今晩のISMに対する反応は限定的となりそうですが、市場予想よりも下振れする結果となった場合は、ドル売りが強まる場面もみられそうです。
◆ISM製造業景況指数(ISM Manufacturing Report on Business)とは…
ISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されます。米国の主要経済指標の中でもっとも早く発表され(毎月第一営業日に前月の調査結果が発表)、企業のセンチメントを反映し景気転換の先行指標とされることから、市場の注目度は極めて高い経済指標です。
アンケート内容は、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫、顧客在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。また、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫の5項目を加重平均して算出したものは、PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM製造業景況指数の主要指数となっています。50が景気動向の良し悪しを測る分岐点となり、50を上回ると製造業の景気が拡大、下回ると製造業の景気が後退していると考えられます。
ISM製造業景況指数を見るうえで、PMIが最も重要ですが、詳細な各指数をチェックすることも大事です。新規受注指数が50を超えていれば、製造業の先行きは明るいとみることができ、この先の経済活動がどうなるかを予測することができます。
雇用指数は、製造業の労働市場の現況を把握することができます。同指数が50を超えていれば、製造業の雇用が順調に伸びていると考えられます。
また、インフレ指標として支払価格指数や入荷遅延指数なども注目されています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/