FOMC、タカ派スタンスは継続か?
- 2022/11/2
- 経済データBOX

日本時間3日午前3時に米国の政策金利が発表されます。大方の予想では、50~75ベーシスポイント(bp)の利上げが見込まれています。なお、Fed Watch(1日時点)によると、75bpの利上げ確率が86.5%、50bpの利上げ確率が13.5%となっています。
また、今回75bpの利上げが実施されたと前提した場合、次回(12月13・14日)の利上げ確率は25bpが5.7%、50bpが44.5%、75bpが49.7%です。市場の焦点は次回12月に向いており、今回の声明文やパウエルFRB議長の会見を受けて、12月の利上げ確率がどのように傾くかが注目されそうです。
なお、前回9月に公表されたドットチャートの中央値は、22年末が4.4%、23年末が4.6%、24年末が3.9%、25年末が2.9%となっています。経済見通しは、今年末のGDPが0.2%、失業率が3.8%、コアPCEが4.5%となっており、それぞれ直近の数字(GDP2.6%、失業率3.5%、PCEコアデフレーター5.1%)をみると、BOCやRBAのようにFRBがタカ派スタンスを変更するとの見方は早計かもしれません。
◆FOMCとは
FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略で米国の金融政策の決定の行う会合です。通常は年8回開催され、会合では米連邦準備制度理事会(FRB)議長と副議長、理事を合わせた7名、12地区ある連邦準備銀行総裁の5名(このうち1名はNY連銀総裁がFOMCの副議長を務め、残りの4名は持ち回り)の計12名が投票権を持ちます。
米国の政策金利は、フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標で、0.25%のレンジで目標が示されます。また、FRBは毎年3・6・9・12月にFOMCメンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表し、その政策金利の見通しが「ドットチャート」と呼ばれ、メンバーが適切と考えるFF金利誘導目標の水準を点(ドット)の分布で示したものになります。
◆タカ派、ハト派とは
各国の金融政策を決める会議のメンバーに対して、「タカ派(hawk)」「ハト派(dove)」という言葉を良く聞かれます。一般的に、タカ派は景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、金融引き締め(利上げ)政策寄りの人です。一方、ハト派は物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮する金融緩和(利下げ)政策寄りの人となります。
◆FOMCボードメンバーの分布図(9月22日時点、赤字は投票権あり)
-タカ派-
ブラード(Bullard)セントルイス地区連銀総裁
ウォーラー(Waller)FRB理事
メスター(Mester)クリーブランド地区連銀総裁
ハーカー(Harker)フィラデルフィア地区連銀総裁
バーキン(Barkin)リッチモンド地区連銀総裁
ボウマン(Bowman)FRB理事
カシュカリ(Kashkari)ミネアポリス地区連銀総裁
パウエル(Powell)FRB議長
ウィリアムズ(Williams)ニューヨーク地区連銀総裁
ローガン(Logan)ダラス地区連銀総裁
ボスティック(Bostic)アトランタ地区連銀総裁
-不明-
ジョージ(George)カンザスシティ地区連銀総裁
バー(Barr)FRB金融規制担当副議長
コリンズ(Collins)ボストン地区連銀総裁
ジェファーソン(Jefferson)FRB理事
-ハト派-
ブレイナード(Brainard)FRB副議長
エバンス(Evans)シカゴ地区連銀総裁
デーリー(Daly)サンフランシスコ地区連銀総裁
クック(Cook)FRB理事
FOMC開催日:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
FRBボードメンバー:https://www.federalreserve.gov/aboutthefed/bios/board/default.htm