米CPI、上昇率はやや鈍化する見通し

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日本時間10日22時30分に10月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.6%上昇、前年比8.0%上昇、CPIコアは前月比0.5%上昇、前年比6.5%上昇となっています。

次回の米FOMC(12月13・14日)を控え、今晩と12月13日に発表される米CPIには注目が集まります。10月の米CPIは上昇率が鈍化する見通しですが、高インフレと呼ばれる水準にあります。また、労働市場ではタイトな状況が続いているため、インフレ減速ペースは予想よりもゆっくりとしたものになるとの見方が一般的なようです。

なお、9日時点のFed Watchによると、次回FOMCでの利上げ幅は、0.50%が61.5%、0.75%が38.5%となっています。今晩のCPIが予想よりも上振れした場合は、0.75%の利上げ確率が高まり、ドル買いにつながる可能性があります。

◆前回は…

9月の消費者物価指数は、CPI総合が前月比0.4%上昇(事前予想0.2%上昇)、前年比8.2%上昇(同8.1%上昇)、CPIコアが前月比0.6%上昇(同0.5%上昇)、前年比6.6%上昇(同6.5%上昇)となりました。

品目別を前年比ベースでみますと、ガソリンが18.2%上昇と8月の25.6%上昇から伸びが鈍化しました。また、食料品が11.2%上昇と8月の11.4%から伸びが若干鈍化しましたが、5カ月連続で2ケタ台の伸びとなりました。なお、物価全体の3割程のウェートを占める住居費は6.6%上昇(8月は6.2%上昇)と引き続き伸びが加速しました。

同発表直後は、金利が上昇、ダウ先物が急落しました。ただ、時間が経過すると、株式市場では徐々に買い意欲が強まり、大幅なリバウンドにつながる動きとなりました。為替市場では、ドル円が一時147円台後半まで上昇したあと、146円台半ばまで急落する局面がみられるなど、荒い値動きとなりました。

◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…

都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。

また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。

一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。

CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(1月時点)は、食品13.4%、エネルギー7.4%、財21.8%、サービス57.4%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。

なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。

こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。

発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm


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