米個人消費やGDPの先行指標、米消費者信頼感指数
- 2022/11/29
- 経済データBOX

日本時間29日24時に11月の米消費者信頼感指数が発表されます。大方の予想は、100.0と2カ月連続で低下する見込みとなっています。なお、前月は足元の労働市場などの景況感を示す現況指数が2021年4月以来の水準に落ち込んだほか、所得や労働環境の短期的な見通しを示す期待指数も9月の79.5から78.1に低下し、景気後退(リセッション)リスクが高まるとされる80を8カ月連続で下回っています。
現地時間23日に発表された11月のミシガン大消費者信頼感指数確報値は56.8と速報値(54.7)から上方修正され、予想(55.0)を上回りました。ガソリン価格が月間を通して下げたことがセンチメントを明るくしたと指摘されていますが、インフレが依然として高水準にあるなか、貯蓄の取り崩しや借り入れコストの上昇などがみられる状況では、先行きに対する警戒感は払しょくできません。また、労働市場の悪化が顕著に示されるようになると、消費者心理の低下も継続することが指摘されています。
◆米消費者信頼感指数(CCI:Consumer Confidence Index)とは
1916年に設立された米国の経済団体や労働組合で構成する非営利の⺠間調査機関コンファレンスボード(Conference Board、全米産業審議委員会)が、5,000世帯の消費者に対して、現在の景況感・雇用状況、6ヵ月先の景況感・雇用・所得、6ヵ月以内の購入計画(自動車・住宅など)の3項目に対する見通し(楽観、中⽴、悲観、雇用については⼗分もしくは困難)についてアンケート調査を実施し、消費者のセンチメント(消費者マインド)を指数化した景気関連の経済指標です。1985年を100として指数化し、毎月最終火曜日に発表されます。
指数の項目としては、現状への評価を示す「現況指数」、6ヵ月先の景況感を示す「期待指数」があります。現状の経済と雇用の2項目を平均したものが現況指数で、6カ⽉後の経済、雇用、所得の3項目を平均したうえで季節調整したものが期待指数、そしてこれら5項目の平均値が消費者信頼感指数となります。
一般的に、消費者信頼感指数は個人消費やGDP(国内総生産)と強い相関関係を持つといわれているため、これらの先行指標として注目されるほか、NYダウや米国債券との関連が深いだけはなく、株式・債券市場の動向に対して半年ほどの先行性を持つといわれています。
消費者信頼感指数は、米国の景気状態を確認するための指標ですが、数値だけも見ても景気の良し悪しが分かりません。このため、前回の数値を見比べる必要があります。前回よりも数値が高い場合は景気が良くなっていると捉えられ、低い場合は景気が後退していると考えられます。また、データに多くのノイズが入りやすいため、数値のブレが大きくなります。このため、細かい動きにとらわれず、3か月分の平均的な動きに注目すると良いといわれています。
発表元:https://www.conference-board.org/us/
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