ISM非製造業景況指数は低下予想
- 2022/12/5
- 経済データBOX

日本時間5日24時に11月のISM非製造業景況指数が発表されます。大方の予想は53.1と景況感の分岐点である50は維持する見通しですが、前月から低下する見込みです。
先月23日にS&Pグローバルから発表された11月の米サービス業購買担当者指数(PMI)速報値は46.1と景況感の分岐点である50を5カ月連続で下回っています。また、ISM非製造業に先立って発表(23時45分)される11月の米サービス業PMI改定値の事前予想は46.1と速報値から変化はありません。
今晩発表されるISM非製造業景況指数が予想よりも低下した場合は、米景気後退懸念をより強める可能性が高く、ドル安地合いが継続しそうです。
◆ISM非製造業景況指数(Services ISM Report on Business)の見方は…
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、非製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されるもので、毎月第三営業日に前月の調査結果が発表されます。
アンケート内容は、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入、在庫景況感の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。そのうち、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の4項目を加重平均して算出したものを、Services PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM非製造業景況指数の主要指数となっています。ISM製造業景況指数同様、50%が景気判断の分岐点となっています。
雇用やGDP(国内総生産)面で、銀行や商店、卸売りなどサービス業が占める割合は大きく、また米雇用統計よりも先に発表されることも多いため、投資家やエコノミストらが雇用統計の先行指標として注目します。
ISM非製造業景況指数のなかでも、新規受注指数は先行性の高い指標と言われます。また、輸出用受注指数は将来の状況を予測するうえで重要な指標となります。両指数のいずれか、あるいは両方が分岐点である50をコンスタントに超えていると、今後サービス業が伸びてくると考えることができます。
ただ、ISM非製造業景況指数は1998年から公表された新しい指標で、データが信頼性に欠けると考える人もいます。また、数値の振れが大きくなりやすい傾向があるため、指数の方向性でなく、コンスタントに50を超えているのかどうかを見るのがポイントと言われています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/