米CPI、上昇率鈍化見通し
- 2022/12/13
- 経済データBOX

日本時間13日22時30分に11月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.3%上昇、前年比7.3%上昇、CPIコアは前月比0.3%上昇、前年比6.1%上昇となっています。
前日にNY連銀が発表した11月の消費者期待調査では、1年先インフレ期待が5.2%と10月調査の5.9%から低下しました。また、3年先が3.0%、5年先が2.3%とそれぞれ10月調査(3.1%、2.4%)から低下し、市場ではインフレピークへの観測が強まりました。
今日発表されるCPIは、全般的にはインフレが緩和していることを示唆する結果となりそうです。なお、ガソリン価格の下落が下押し圧力になるとみられる一方、住居費が引き続き押し上げ要因になるとみられています。
◆前回は…
10月の消費者物価指数は、CPI総合が前月比0.4%上昇(事前予想0.6%上昇)、前年比7.7%上昇(同7.9%上昇)、CPIコアが前月比0.3%上昇(同0.5%上昇)、前年比6.3%上昇(同6.5%上昇)となりました。
品目別を前年比ベースでみますと、ガソリンが17.5%上昇と9月の18.2%上昇から伸びが鈍化したほか、食料品が10.9%上昇と9月の11.2%上昇から伸びが若干鈍化しました。一方、物価全体の3割程のウェートを占める住居費は6.9%上昇(9月は6.6%上昇)と引き続き伸びが加速しました。
同発表を受けて、FRBの利上げ減速観測が強まり、債券高、ドル売り、株高の反応がみられました。146円近辺で推移していたドル円は、発表後に143円台前半まで急落し、その後もドル売りが継続しました。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(1月時点)は、食品13.4%、エネルギー7.4%、財21.8%、サービス57.4%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm