ECB理事会、50bpの利上げ予想
- 2022/12/15
- 経済データBOX

日本時間15日22時15分にECBの政策金利が公表され、ラガルド総裁の記者会見が22時45分に開始されます。大方の予想では、50bp(ベーシスポイント)の利上げと9月と10月の75bpの利上げ幅から縮小することが見込まれています。
前回10月の会合では、声明文で政策金利の先行きについて「今後数回の会合」という文言が削除されたことで、ECBのタカ派姿勢が後退としたと受け止められました。今後は、データ次第で会合ごとに判断するとし、インフレ見通し、これまでの利上げ効果、金融政策の効果が出るまでのタイムラグの考慮の3点を判断材料としています。
なお、先月30日に発表された11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、前年同月比10.0%上昇と10月の10.6%上昇から縮小しました。伸びが鈍化したのは、2021年6月以来、1年5カ月ぶりとなります。欧州の天然ガス価格指標であるオランダのTTF先物は8月にピークアウトしていることで、今後のインフレの下押し要因として意識されそうです。
◆ECB理事会とは
ECB理事会とは、ユーロ圏の統一的な金融政策を決める欧州中央銀行(European Central Bank)の最高意思決定機関です。政策金利決定を含む金融政策に関する理事会は6週間ごとに開催され、総裁、副総裁、4名の常任理事、19カ国の中銀総裁の計25名で構成されています。
ECBの主要金利は、主要リファイナンス・オペ金利(主要政策金利、ユーロシステムが定期的に行う公開市場操作において金融機関が入札可能な下限金利に相当、現在2.00%)、預金ファシリティ金利(金融機関が手元資金をオーバーナイトでECBに預け入れる際の金利、現在1.50%)、限界貸付ファシリティ金利(金融機関が急な資金需要が生じた際に、オーバーナイト資金をECBから借り入れる際の金利、現在2.25%)となります。
◆タカ派、ハト派とは
各国の金融政策を決める会議のメンバーに対して、「タカ派(hawk)」「ハト派(dove)」という言葉を良く聞かれます。一般的に、タカ派は景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、金融引き締め(利上げ)政策寄りの人です。一方、ハト派は物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮する金融緩和(利下げ)政策寄りの人となります。
◆ECBボードメンバーの分布図(11月4日時点)
-タカ派-
クノット(Knot)オランダ中銀総裁
ホルツマン(Holzmann)オーストリア中銀総裁
ナーゲル(Nagel)ドイツ中銀総裁
ウンシュ(Wunsch)ベルギー中銀総裁
ミュラー(Muller)エストニア中銀総裁
カジミール(Kazumir)スロバキア中銀総裁
カザークス(Kazaks)ラトビア中銀総裁
エルデルソン(Elderson)ECB理事
シュナーベル(Schnabel)ECB理事
バスレ(Vasle)スロベニア中銀総裁
シムカス(Simkus)リトアニア中銀総裁
ライネシュ(Reinesch)ルクセンブルグ中銀総裁
ビルロワドガロー(Villeroy)フランス中銀総裁
シクルナ(Scicluna)マルタ中銀総裁
-ハト派-
パネッタ(Panetta)ECB理事
レーン(Lane)ECB理事
ストゥルナラス(Stournaras)ギリシャ中銀総裁
ビスコ(Visco)イタリア中銀総裁
エルナンデス・デコス(Hernandez de Cos)スペイン中銀総裁
ヘロドトウ(Herodotou)キプロス中銀総裁
マクルーフ(Makhlouf)アイルランド中銀総裁
センテノ(Centeno)ポルトガル中銀総裁
ラガルド(Lagarde)ECB総裁
デギンドス(de Guindos)ECB副総裁
レーン(Rehn)フィンランド中銀総裁
発表元:https://www.ecb.europa.eu/home/html/index.en.html
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