消費者マインドは改善か?
- 2023/1/13
- 経済データBOX

日本時間13日24時に1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表されます。大方の予想では、60.5と前月から改善する見通しです。また、現況指数が60.0に改善、期待指数が59.5と悪化する見込みとなっています。
労働市場の堅調が続くなか、ガソリン価格の低下などを受けて物価上昇が鈍化していることが消費者マインドの改善につながっています。ただ、企業景況感は悪化しており、景気の先行き懸念が意識されやすくなっています。また、現在の外為市場はドル売り材料に反応しやすくなっているため、市場予想を下回る結果となった場合はドル売り圧力が強まる可能性がありそうです。
◆米ミシガン大消費者信頼感指数(University of Michigan Survey of Consumers)とは
米国の消費者マインドを表す経済指標で、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施しています。1966年を100として、速報は300世帯、確報は500世帯を対象に、現在と将来の景況感、雇用状況、所得などの項目について「楽観」、「悲観」で回答してもらった結果を指数化し、原則、速報値は毎月第2金曜日、確報値は最終金曜日に発表されます。
指数項目には、コンファレンスボード(Conference Board、全米産業審議委員会)の消費者信頼感指数(CCI)と同様に、現状への評価を示す「現況指数」と、先行きに関する「期待指数」があり、米連邦準備制度理事会(FRB)が注視していると言われる期待インフレ率も公表されます。
なお、CCIよりも対象人数が少ないため、統計はブレが大きくなります。このため、アメリカの現状の景況感を測るうえでの信頼性は、ミシガン大学よりもコンファレンスボードのほうが高いと言われています。しかし、発表時期が早いため、CCIの先行指標として注目され、一般的にはミシガン大学の速報値で最近の動向をチェックし、コンファレンスボードの指数で確認するというのが良いと考えられています。
◆期待インフレ率とは
実際に起きた物価上昇率ではなく、消費者や企業、市場などが予想するインフレに対する将来の予測値で、予想インフレ率とも呼ばれます。金融市場では、債券利回りから求めるブレークイーブンインフレ率(BEI:Break Even Inflation rate)が有名ですが、物価に関するアンケート回答を集計して求める方法など、期待インフレ率を計測する手法は多岐に渡ります。
発表元:http://www.sca.isr.umich.edu/
リリース日:https://data.sca.isr.umich.edu/fetchdoc.php?docid=70659