米小売売上高、2カ月連続で減少予想
- 2023/1/18
- 経済データBOX

日本時間18日22時30分に12月の米小売売上高が発表されます。大方の予想では、前月比0.8%減、変動の大きい自動車を除いたコア指数は同0.4%減となっています。
前回(11月)は、13業種中9業種の売上高が減少し、自動車・同部品販売が中古乗用車・トラックの価格低下などを受けて前月比2.3%減の1265億1200万ドル、寄与度マイナス0.43ポイントと全体を最も押し下げました。また、建材・園芸用品が同2.5%減の424億8500万ドル(寄与度マイナス0.16ポイント)、無店舗小売りが同0.9%減の1090億8400万ドル(同マイナス0.15ポイント)と減少に寄与した一方、飲食サービスは同0.9%増の903億9100万ドル(同プラス0.11ポイント)と4カ月連続で増加しました。全体では、前月比0.6%減の6894億4300万ドルと市場予想(前月比0.2%減)よりも減少幅が大きくなりました。
同発表を受けて、全米小売業協会(NRF)は11月末がホリデーショッピングの本格的な出足となるが、小売り各社が10月の早い時期からセールイベントを実施したことで、需要の減少につながったとの見方を示しています。
米コンファレンスボードや米ミシガン大の消費者信頼感指数からは消費者の先行きに対する懸念が緩和している兆しがありものの、依然として高水準な物価水準や金利などを受けて、消費者の家計は圧迫されており、しばらくは小売売上高の弱さが続くことを見込む向きが多いようです。
◆米小売売上高(Retail Trade and Food Services)の見方は…
GDPの約7割を個人消費が占める米国において、個人消費のトレンドを把握することができるため、米小売売上高は非常に重要な指標と言われています。百貨店やスーパーなどの小売業の売上高を、無作為に抽出した約5,000社を対象としたサンプル調査に基づき、米商務省調査局(U.S. Bureau of the Census)が推計・発表しています。
総合指数や変動の大きい自動車を除いたコア指数、項目別では自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と前年比、実額が発表されます。また、調査する対象は耐久財と非耐久財に⼤別され、GDPの個人消費支出の算出に使われているコア指数が注目されます。
実際に調査した⽉から2週間後に発表されるため、速報性が高く、景気の先⾏指標として捉えられます。小売売上高が前月比で増加すると、個人消費は堅調と判断できます。一方、前月比で減少すると、個人消費が落ち込んでいると判断されます。また、例年1⽉に発表される数値には、前年のクリスマス商戦の結果が反映され、最も消費が旺盛な時期の米国の消費者マインドをみるために特に注目が集まります。10⽉に発表される数値には、米国の学校の新学期である9⽉の情勢が反映されています。
ただ、月ごとの変動が大きいため、トレンドの見極めが難しく、修正が大きくなる場合もあります。また、インフレ率を調整していないため、投資判断が難しいとする見方もあります。
発表元:https://www.census.gov/
リリース日:https://www.census.gov/about/event-calendar.html