各国のPMI、全般的に改善の見込み
- 2023/1/24
- 経済データBOX

日本時間24日、欧米各国の1月のPMI速報値が発表(フランスが日本時間17時15分、ドイツが同17時30分、ユーロ圏が同18時、英国が同18時30分、米国が同23時45分)されます。
世界銀行は10日、高インフレと各国の利上げが世界経済を景気後退に追いやる危険性をはらんでいるとし、2023年の世界経済の実質成長率見通しを前回(2022年6月)見通しの3.0%から1.7%に下方修正しました。
一方、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は20日、中国がゼロコロナ政策を見直したことで成長率を押し上げる可能性が出てきたため、「世界経済は数カ月前に心配していたよりも悪くない」との認識を示しました。IMFの世界経済見通し(2022年10月発表)では、2023年の世界経済の予想成長率は2.7%とされています。
米国に続いて、ドイツやユーロ圏、英国のインフレ率が2カ月連続で低下するなど、欧州でもインフレにピークアウトの兆しが出てきています。1月のPMIは景況感の分岐点である50を下回る見通しですが、全般的に前月から改善する見込みとなっています。
◆PMI(Purchasing Manager’s Index)とは
PMI(購買担当者景気指数)とは、企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものです。英国の金融情報・調査会社のIHSマークイットが発表していましたが、2022年2月に同社と米国のS&Pグローバルが合併したことで、現在はS&Pグローバル社が発表しています。
国別、製造業やサービス業ごとの集計が行われており、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大を示します。逆に、50を下回る状態が継続すると、景気減速を示します。一般的に、雇用統計や鉱工業生産などの統計よりも速報性が高く、景気に対する先行性があるとされているため、注目度が高い経済指標の一つとされています。
なお、中国では中国国家統計局と中国物流購入連合会が共同で調査したものと、中国のメディアグループである財新とS&Pグローバルが独自でまとめたものの2種類があります。財新PMIは、調査対象に中小企業や輸出企業の比率が高いため、景気動向をより敏感に反映するとみられています。
発表元:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/Index?language=ja
リリース日:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PDF/UK_Rel_Dates