米GDP、2四半期連続のプラス成長予想
- 2023/1/26
- 経済データBOX

日本時間26日22時30分に2022年第4四半期米GDP速報値が発表されます。大方の予想では、GDPが前期比年率換算2.6%増、価格変動が大きいエネルギーや食料を除いた個人消費支出デフレーター(コアPCE)の上昇率は3.9%となっています。一方、アトランタ連銀のGDPナウは20日時点で3.5%増と前期から伸びが加速する見通しとなっています。
金利上昇や高インフレ下のなか、消費者と企業の需要が堅調を維持していることで、前期から伸びは減速するものの、2四半期連続のプラス成長が見込まれています。昨年のクリスマス時期に北米が記録的な寒波に見舞われたことで、消費活動の低迷も懸念されていますが、力強い労働市場と賃金の伸びが家計支出を支えているため、個人消費は前期から伸びが加速するとみられています。
なお、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された経済見通しでは、2023年の実質GDP成長率は0.5%となっており、今後は同水準へ成長率は収束していくことが想定されます。
◆GDP(Gross Domestic Product)とは
GDP(国内総生産)とは、一定期間内に国内で生み出された財・サービスの付加価値の総額で、その国の経済規模や経済全体の景気動向を見るうえで重要な経済指標です。GDPは前期比、前期比年率、前年比いずれかの伸び率が四半期(3ヵ月)ごとに発表され、その伸び率がその国の経済成長率を表しています。
世界のほとんどの国で発表されていますが、国によって発表回数が異なるのが特徴です。米国、英国、ユーロ圏は各四半期とも、速報値、改定値(速報値の約1ヵ月後に発表)、確報値(改定値の約1ヵ月後に発表)と3回発表されるのに対して、仏、独は各四半期とも、速報値、確報値(速報値の約2週間~4週間後に発表)と2回発表されます。カナダでは、毎月GDPが発表されます(約2ヵ月後に発表)。その他の国の多くは、各四半期とも1回のみの発表となります。
◆実質最終需要
最終需要とは、消費や設備投資、公共投資、輸出入といった各経済主体(家計、企業、政府、海外部門)の支出のことです。基調的な需要の強さを測る指標として、GDPから純輸出と在庫を除いた実質最終需要の数値が注目されています。
◆インフレを測る指標GDPデフレーター
インフレを測る指標には様々なものがあり、消費者物価指数(CPI)が広く知られています。ただ、CPIは少数の限られた商品を対象に物価を測っていますが、GDPの発表に合わせて公表されるGDPデフレーターはCPIよりもかなり広範な商品やサービスを対象にしています。このため、人々の嗜好の変化といった要素の影響を受けづらく、経済全体の物価変動を表す包括的な指標とされています。
◆GDPナウ
「GDPナウ(https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow)」とは、アトランタ連銀が最新の重要な経済指標(ISM製造業景況指数、小売売上高、耐久消費財、個人所得・支出、国際貿易統計、住宅着工件数)が発表された時点で、その経済指標の結果を加味した最新のGDP予測値を公表しているものです。市場予想と大きく乖離することもありますが、米国経済全体の最新の全体像を把握する際に注目されています。
発表元:https://www.bea.gov/
リリース日:https://www.bea.gov/news/schedule