米CPI、上振れへの懸念が台頭
- 2023/2/14
- 経済データBOX

日本時間14日22時30分に1月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.5%上昇、前年比6.2%上昇、CPIコアは前月比0.4%上昇、前年比5.5%上昇となっています。
10日に発表された米消費者物価指数の年次基準改定では、2022年12月のCPI総合は当初発表の前月比0.1%下落から同0.1%上昇、CPIコアは当初発表の同0.3%上昇から同0.4%上昇とそれぞれ上方修正されています。
また、米労働省は本日発表される2023年1月分からCPI算出に使用するウエイトを更新すると発表しています。住宅のウエイトが引き上げられる一方、輸送や食品などが引き下げられます。
直近のガソリン価格の上昇や中古車価格の上昇に加え、ウエイトの変更などから今晩発表されるCPIは予想よりも上振れする可能性を予想する向きが多いようです。
米不動産情報データベースのアパートメントリストが1月30日に発表したレポートでは、米集合住宅家賃(中央値)は前月比で5カ月連続の低下となっていますが、春から夏にかけては季節性要因からプラスに転じる可能性が指摘されています。ただ、前年比ベースでは3.3%上昇となっていますが、伸び率は2021年にピークをつけたあとは鈍化傾向にあり、今後も伸び率は鈍化することが見込まれています。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(2022年1月時点)は、食品13.4%、エネルギー7.4%、財21.8%、サービス57.4%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm