ISM製造業は4カ月連続で50割れの見通し
- 2023/3/1
- 経済データBOX

日本時間1日24時に2月のISM製造業景況指数が発表されます。大方の予想は48.0と改善する見込みですが、4カ月連続で景況感の分かれ目である50を下回るとみられています。
先行指標である2月のNY連銀製造業景況指数はマイナス5.8、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス24.3とそれぞれ景況感の分かれ目を下回っています。また、前日に発表された2月のシカゴ購買部協会景気指数は43.6(予想45.0、前月44.3)、2月のリッチモンド連銀製造業指数はマイナス16(予想マイナス6、前月マイナス11)と悪化しています。
世界的な景気減速や先行き不透明感などにより新規受注や生産の低迷が続き、製造業の活動縮小は続くとの見方が優勢です。ただ、NY連銀の新規受注がマイナスながらも大きく改善しており、今晩発表されるISMも新規受注の下げ止まりが見込まれているようです。
◆ISM製造業景況指数(ISM Manufacturing Report on Business)とは…
ISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されます。米国の主要経済指標の中でもっとも早く発表され(毎月第一営業日に前月の調査結果が発表)、企業のセンチメントを反映し景気転換の先行指標とされることから、市場の注目度は極めて高い経済指標です。
アンケート内容は、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫、顧客在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。また、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫の5項目を加重平均して算出したものは、PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM製造業景況指数の主要指数となっています。50が景気動向の良し悪しを測る分岐点となり、50を上回ると製造業の景気が拡大、下回ると製造業の景気が後退していると考えられます。
ISM製造業景況指数を見るうえで、PMIが最も重要ですが、詳細な各指数をチェックすることも大事です。新規受注指数が50を超えていれば、製造業の先行きは明るいとみることができ、この先の経済活動がどうなるかを予測することができます。
雇用指数は、製造業の労働市場の現況を把握することができます。同指数が50を超えていれば、製造業の雇用が順調に伸びていると考えられます。
また、インフレ指標として支払価格指数や入荷遅延指数なども注目されています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/