ISM非製造業景況指数の市場予想は54.5
- 2023/3/3
- 経済データBOX

日本時間3日24時に2月のISM非製造業景況指数が発表されます。大方の予想は54.5と前月からやや悪化する見通しですが、景況感の分岐点である50は上回る見込みです。
前月は事業活動や新規受注が60超えと高い水準を回復しています。高インフレや人手不足などの逆風はありますが、暖冬による押し上げ効果もあり、サービス産業の拡大は続きそうです。
なお、先月21日にS&Pグローバルから発表された2月の米サービス業購買担当者指数(PMI)速報値は50.5と景況感の分岐点である50を上回り、昨年6月以来の活動拡大が示されました。暖冬の影響から活動指数が50台を回復したほか、新規受注に持ち直しの動きが見られました。また、将来の活動指数は2カ月連続で増加するなど、サービス関連企業が先行きに対して楽観的な見方を強めていると指摘されています。
◆ISM非製造業景況指数(Services ISM Report on Business)の見方は…
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、非製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されるもので、毎月第三営業日に前月の調査結果が発表されます。
アンケート内容は、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入、在庫景況感の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。そのうち、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の4項目を加重平均して算出したものを、Services PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM非製造業景況指数の主要指数となっています。ISM製造業景況指数同様、50%が景気判断の分岐点となっています。
雇用やGDP(国内総生産)面で、銀行や商店、卸売りなどサービス業が占める割合は大きく、また米雇用統計よりも先に発表されることも多いため、投資家やエコノミストらが雇用統計の先行指標として注目します。
ISM非製造業景況指数のなかでも、新規受注指数は先行性の高い指標と言われます。また、輸出用受注指数は将来の状況を予測するうえで重要な指標となります。両指数のいずれか、あるいは両方が分岐点である50をコンスタントに超えていると、今後サービス業が伸びてくると考えることができます。
ただ、ISM非製造業景況指数は1998年から公表された新しい指標で、データが信頼性に欠けると考える人もいます。また、数値の振れが大きくなりやすい傾向があるため、指数の方向性でなく、コンスタントに50を超えているのかどうかを見るのがポイントと言われています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/