ECB理事会、金融不安の飛び火で見方が分かれる
- 2023/3/16
- 経済データBOX

日本時間16日22時15分にECBの政策金利が公表され、ラガルド総裁の記者会見が22時45分に開始されます。予想では、金利据え置きの可能性や25bp(ベーシスポイント)の利上げ、50bpの利上げと見方が分かれています。
これまでラガルド総裁や多くのECBボードメンバーがインフレ抑制のため積極的な利上げを継続する意向を表明してきたことで、先週までは50bpの利上げがほぼ織り込まれていました。ただ、金融不安が欧州に飛び火したことで、市場では利上げが金融不安を深刻化させるとの見方が台頭しています。来週のFOMCを前にECBがどのようなかじ取りを行うか注目されています。
◆ECB理事会とは
ECB理事会とは、ユーロ圏の統一的な金融政策を決める欧州中央銀行(European Central Bank)の最高意思決定機関です。政策金利決定を含む金融政策に関する理事会は6週間ごとに開催され、総裁、副総裁、4名の常任理事、20カ国(※2023年1月クロアチアがユーロ導入)の中銀総裁の計26名で構成されています。
ECBの主要金利は、主要リファイナンス・オペ金利(主要政策金利、ユーロシステムが定期的に行う公開市場操作において金融機関が入札可能な下限金利に相当、現在3.00%)、預金ファシリティ金利(金融機関が手元資金をオーバーナイトでECBに預け入れる際の金利、現在2.50%)、限界貸付ファシリティ金利(金融機関が急な資金需要が生じた際に、オーバーナイト資金をECBから借り入れる際の金利、現在3.25%)となります。
◆タカ派、ハト派とは
各国の金融政策を決める会議のメンバーに対して、「タカ派(hawk)」「ハト派(dove)」という言葉を良く聞かれます。一般的に、タカ派は景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、金融引き締め(利上げ)政策寄りの人です。一方、ハト派は物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮する金融緩和(利下げ)政策寄りの人となります。
◆ECBボードメンバーの分布図(2月8日時点)
-タカ派-
クノット(Knot)オランダ中銀総裁
ホルツマン(Holzmann)オーストリア中銀総裁
ナーゲル(Nagel)ドイツ中銀総裁
ウンシュ(Wunsch)ベルギー中銀総裁
ミュラー(Muller)エストニア中銀総裁
カジミール(Kazumir)スロバキア中銀総裁
カザークス(Kazaks)ラトビア中銀総裁
シムカス(Simkus)リトアニア中銀総裁
バスレ(Vasle)スロベニア中銀総裁
エルデルソン(Elderson)ECB理事
シュナーベル(Schnabel)ECB理事
ライネシュ(Reinesch)ルクセンブルグ中銀総裁
レーン(Rehn)フィンランド中銀総裁
ビルロワドガロー(Villeroy)フランス中銀総裁
シクルナ(Scicluna)マルタ中銀総裁
ラガルド(Lagarde)ECB総裁
-中立・不明-
ブイチッチ(Vujcic)クロアチア中銀総裁
-ハト派-
パネッタ(Panetta)ECB理事
ストゥルナラス(Stournaras)ギリシャ中銀総裁
ビスコ(Visco)イタリア中銀総裁
レーン(Lane)ECB理事
エルナンデス・デコス(Hernandez de Cos)スペイン中銀総裁
ヘロドトウ(Herodotou)キプロス中銀総裁
センテノ(Centeno)ポルトガル中銀総裁
マクルーフ(Makhlouf)アイルランド中銀総裁
デギンドス(de Guindos)ECB副総裁
発表元:https://www.ecb.europa.eu/home/html/index.en.html
開催日:https://www.ecb.europa.eu/press/calendars/mgcgc/html/index.en.html