米ミシガン大消費者信頼感、予想は横ばい
- 2023/3/17
- 経済データBOX

日本時間17日23時に3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表されます。大方の予想では、67.0と前月と横ばいの見通しです。また、現況指数が70.0、期待指数が64.5とそれぞれ低下する見込みとなっています。
2月の1年先期待インフレ率は4.1%と1月の3.9%から上昇しましたが、1月から2月にかけてのガソリン価格の上昇が反映された可能性が指摘されており、水準的には昨年同時期よりも下回っており、インフレのピークアウト感は米消費者にも広がっているとみられます。
ただ、15日に発表された2月の米小売売上高は前月比で減少しました。1月の大幅増の反動との見方が有力ですが、高インフレの影響を受けつつあるとの指摘もあります。米消費者心理の基調的な改善傾向は続きそうですが、ヘッドラインの悪化が示された場合はドル安の反応がみられる可能性もありそうです。
◆米ミシガン大消費者信頼感指数(University of Michigan Survey of Consumers)とは
米国の消費者マインドを表す経済指標で、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施しています。1966年を100として、速報は300世帯、確報は500世帯を対象に、現在と将来の景況感、雇用状況、所得などの項目について「楽観」、「悲観」で回答してもらった結果を指数化し、原則、速報値は毎月第2金曜日、確報値は最終金曜日に発表されます。
指数項目には、コンファレンスボード(Conference Board、全米産業審議委員会)の消費者信頼感指数(CCI)と同様に、現状への評価を示す「現況指数」と、先行きに関する「期待指数」があり、米連邦準備制度理事会(FRB)が注視していると言われる期待インフレ率も公表されます。
なお、CCIよりも対象人数が少ないため、統計はブレが大きくなります。このため、アメリカの現状の景況感を測るうえでの信頼性は、ミシガン大学よりもコンファレンスボードのほうが高いと言われています。しかし、発表時期が早いため、CCIの先行指標として注目され、一般的にはミシガン大学の速報値で最近の動向をチェックし、コンファレンスボードの指数で確認するというのが良いと考えられています。
◆期待インフレ率とは
実際に起きた物価上昇率ではなく、消費者や企業、市場などが予想するインフレに対する将来の予測値で、予想インフレ率とも呼ばれます。金融市場では、債券利回りから求めるブレークイーブンインフレ率(BEI:Break Even Inflation rate)が有名ですが、物価に関するアンケート回答を集計して求める方法など、期待インフレ率を計測する手法は多岐に渡ります。
発表元:http://www.sca.isr.umich.edu/
リリース日:https://data.sca.isr.umich.edu/fetchdoc.php?docid=70659