FOMC、25bpの利上げ予想
- 2023/3/22
- 経済データBOX

日本時間23日午前3時に米国の政策金利が発表されます。大方の予想では、現行の4.50~4.75%から25ベーシスポイント(bp)の引き上げが見込まれています。なお、Fed Watch(21日時点)によると、25bpの利上げ確率が89.3%、据え置きの確率が10.7%となっています。
また、FOMC参加者のドットチャート(政策金利見通し)も注目されています。昨年12月に公表されたドットチャート中央値は、23年末が5.1%、24年末が4.1%、25年末が3.1%と9月に公表された中央値(23年末4.6%、24年末3.9%、25年末2.9%)から引き上げられています。
パウエル米FRB議長は7日の上院議会証言で、今後のデータ次第では利上げのペースを加速する用意があるとしたほか、政策金利を従来の想定よりも高い水準まで引き上げる公算が大きいとしました。米シリコンバレー銀行の破たんに端を発した金融不安はひとまず後退しているなか、パウエル米FRB議長が会見でこれまで通りタカ派的な姿勢を示すのか、市場が促すハト派への転換に含みを持たせるのかも注目されます。
◆FOMCとは
FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略で米国の金融政策の決定の行う会合です。通常は年8回開催され、会合では米連邦準備制度理事会(FRB)議長と副議長、理事を合わせた7名、12地区ある連邦準備銀行総裁の5名(このうち1名はNY連銀総裁がFOMCの副議長を務め、残りの4名は持ち回り)の計12名が投票権を持ちます。
米国の政策金利は、フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標で、0.25%のレンジで目標が示されます。また、FRBは毎年3・6・9・12月にFOMCメンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表し、その政策金利の見通しが「ドットチャート」と呼ばれ、メンバーが適切と考えるFF金利誘導目標の水準を点(ドット)の分布で示したものになります。
◆タカ派、ハト派とは
各国の金融政策を決める会議のメンバーに対して、「タカ派(hawk)」「ハト派(dove)」という言葉を良く聞かれます。一般的に、タカ派は景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、金融引き締め(利上げ)政策寄りの人です。一方、ハト派は物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮する金融緩和(利下げ)政策寄りの人となります。
◆FOMCボードメンバーの分布図(2月8日時点、赤字は投票権あり)
-タカ派-
ブラード(Bullard)セントルイス地区連銀総裁
カシュカリ(Kashkari)ミネアポリス地区連銀総裁
ウォーラー(Waller)FRB理事
メスター(Mester)クリーブランド地区連銀総裁
バーキン(Barkin)リッチモンド地区連銀総裁
デーリー(Daly)サンフランシスコ地区連銀総裁
ボウマン(Bowman)FRB理事
パウエル(Powell)FRB議長
バー(Barr)FRB金融規制担当副議長
ジェファーソン(Jefferson)FRB理事
ウィリアムズ(Williams)ニューヨーク地区連銀総裁
コリンズ(Collins)ボストン地区連銀総裁
-中立・不明-
ローガン(Logan)ダラス地区連銀総裁
ボスティック(Bostic)アトランタ地区連銀総裁
ハーカー(Harker)フィラデルフィア地区連銀総裁
-ハト派-
ブレイナード(Brainard)FRB副議長
クック(Cook)FRB理事
グールズビー(Goolsbee)シカゴ地区連銀総裁
ジョージ(George)カンザスシティ地区連銀総裁
FOMC開催日:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
FRBボードメンバー:https://www.federalreserve.gov/aboutthefed/bios/board/default.htm