各国のPMI、金融不安の影響は?
- 2023/3/24
- 経済データBOX

日本時間24日、欧米各国の3月のPMI速報値が発表(フランスが日本時間17時15分、ドイツが同17時30分、ユーロ圏が同18時、英国が同18時30分、米国が同22時45分)されます。
前月は各国ともサービス業主導で予想以上に改善しましたが、今回は調査期間中に米地銀の破たんがあり、これが企業心理に影響を与え、予想よりも悪化する可能性もありそうです。
なお、国際通貨基金(IMF)が1月30日、世界経済見通し(WEO)の改訂版を発表しています。これによると、世界の経済成長率(実質GDP伸び率)は2022年に3.4%(10月見通し3.2%)、2023年は2.9%(同2.7%)、2024年は3.1%(同3.2%)となっています。
2023年の地域別の成長率は、米国が1.4%(10月見通し1.0%)、ユーロ圏が0.7%(同0.5%)、英国がマイナス0.6%(10月見通し0.3%)、日本が1.8%(同1.6%)となりました。
また、世界のインフレ率は、2022年の8.8%(10月見通し8.8%)から2023年に6.6%(同6.5%)、2024年に4.3%(同4.1%)と鈍化していく見込みとしました。なお、IMFは2022年7-9月期が世界の総合インフレ率がピークだったと評価しています。
◆PMI(Purchasing Manager’s Index)とは
PMI(購買担当者景気指数)とは、企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものです。英国の金融情報・調査会社のIHSマークイットが発表していましたが、2022年2月に同社と米国のS&Pグローバルが合併したことで、現在はS&Pグローバル社が発表しています。
国別、製造業やサービス業ごとの集計が行われており、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大を示します。逆に、50を下回る状態が継続すると、景気減速を示します。一般的に、雇用統計や鉱工業生産などの統計よりも速報性が高く、景気に対する先行性があるとされているため、注目度が高い経済指標の一つとされています。
なお、中国では中国国家統計局と中国物流購入連合会が共同で調査したものと、中国のメディアグループである財新とS&Pグローバルが独自でまとめたものの2種類があります。財新PMIは、調査対象に中小企業や輸出企業の比率が高いため、景気動向をより敏感に反映するとみられています。
発表元:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/Index?language=ja
リリース日:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PDF/UK_Rel_Dates