米CPI、総合指数の伸びは鈍化予想だが
- 2023/4/12
- 経済データBOX

日本時間12日21時30分に3月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.2%上昇、前年比5.2%上昇、CPIコアは前月比0.4%上昇、前年比5.6%上昇となっています。
米クリーブランド連銀が予測している11日時点の3月のCPIナウキャストは、総合が前月比+0.30%、前年比+5.22%、コアが前月比+0.45%、前年比+5.66%となっています。
米不動産情報データベースのアパートメントリストの3月の米集合住宅家賃は前年比2.6%上昇、米不動産仲介サイト大手のジロー・グループが公表している3月の観測家賃指数(ZORI)は前年比6.0%上昇とそれぞれ前月(同3.0%上昇、同6.3%上昇)から低下しており、足元の米家賃の伸びが鈍化していることが示されています。
また、サービスインフレの背景の一つにある賃金の上昇ですが、3月の米雇用統計での平均時給は前年比4.2%上昇と前月(同4.6%上昇)から伸びが鈍化しています。
一方、米ガソリン価格は今年に入ってから上昇傾向にあり、足元ではOPECプラスの減産で原油価格が急騰し、その影響が米ガソリン価格にも波及してきています。このため、コア指数は伸びが鈍化し、総合指数は予想よりも伸びが鈍化しない可能性もありそうです。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。
一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(2023年1月時点)は、財38.382%(内、食品13.531%、エネルギー6.921%)、サービス61.618%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm