米小売売上高、2カ月連続で減少の見通し
- 2023/4/14
- 経済データBOX

日本時間14日21時30分に3月の米小売売上高が発表されます。大方の予想では、前月比0.4%減、変動の大きい自動車を除いたコア指数は同0.3%減となっています。
前回(2月分)は、13業種中8業種の売上高が減少しました。業種別でみると、自動車・同部品販売が前月比1.8%減の1306億4700万ドルで、寄与度マイナス0.34ポイントと全体を最も押し下げました。次いで、飲食サービスが同2.2%減の927億4000万ドルで、寄与度マイナス0.29ポイント、ガソリンスタンドが同0.6%減の583億7900万ドルで、寄与度マイナス0.05ポイントとなりました。全体では前月比0.4%減の6978億7600万ドルと2カ月ぶりの減少に転じましたが、1月の大幅増加の反動との見方が一般的です。
米コンファレンスボードが3月28日に発表した3月の米消費者信頼感指数は104.2と前月の103.4から改善しました。今後6カ月間の支出計画に関する特別質問では、テーマパークや外食といった裁量の度合いが高いカテゴリーで支出減少が示された一方、ヘルスケアや自動車修理といった裁量の度合いが低いカテゴリーでは支出増となる回答が示されました。また、家電製品の全体的な購入計画は軟化した一方、自動車の購入計画はわずかに増加しました。
◆米小売売上高(Retail Trade and Food Services)の見方は…
GDPの約7割を個人消費が占める米国において、個人消費のトレンドを把握することができるため、米小売売上高は非常に重要な指標と言われています。百貨店やスーパーなどの小売業の売上高を、無作為に抽出した約5,000社を対象としたサンプル調査に基づき、米商務省調査局(U.S. Bureau of the Census)が推計・発表しています。
総合指数や変動の大きい自動車を除いたコア指数、項目別では自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と前年比、実額が発表されます。また、調査する対象は耐久財と非耐久財に⼤別され、GDPの個人消費支出の算出に使われているコア指数が注目されます。
実際に調査した⽉から2週間後に発表されるため、速報性が高く、景気の先⾏指標として捉えられます。小売売上高が前月比で増加すると、個人消費は堅調と判断できます。一方、前月比で減少すると、個人消費が落ち込んでいると判断されます。また、例年1⽉に発表される数値には、前年のクリスマス商戦の結果が反映され、最も消費が旺盛な時期の米国の消費者マインドをみるために特に注目が集まります。10⽉に発表される数値には、米国の学校の新学期である9⽉の情勢が反映されています。
ただ、月ごとの変動が大きいため、トレンドの見極めが難しく、修正が大きくなる場合もあります。また、インフレ率を調整していないため、投資判断が難しいとする見方もあります。
発表元:https://www.census.gov/
リリース日:https://www.census.gov/about/event-calendar.html