BOEは12会合連続の利上げ予想
- 2023/5/11
- 経済データBOX

日本時間11日20時に英国の政策金利が発表されます。大方の予想では、現状の4.25%から4.50%と25bp(ベーシスポイント)引き上げ、12会合連続での利上げが予想されています。
英国立統計局(ONS)が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年比10.1%上昇と伸びが前月の10.4%上昇から鈍化しましたが、7カ月連続で2ケタ台の伸び率となっています。また、英中銀が注目するエネルギー・食品・アルコール・たばこを除いたコアCPIは同6.2%上昇と前月と同じ伸び率と高止まりしているため、今回の会合での25bpの利上げが見込まれています。なお、米ゴールドマン・サックスは先月、英国の経済活動が予想以上に強いため、英国の政策金利のピーク水準予想を5%に引き上げています。
S&Pグローバル発表の4月の英総合PMI(購買担当者景気指数)は54.9と好不況の分岐点である50を3カ月連続で上回り、2022年4月以来の水準に上昇しています。サービス業にけん引され、景気回復が加速していることが示唆されています。
◆英金融政策委員会(Monetary Policy Committee)とは
MPC(Monetary Policy Committee)は、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)に設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む5名の英中銀内部の委員と4名の外部委員の計9名の委員で構成され、年間8回会合を開きます。政策金利の対象は、中央銀行の預金金利であるBank Rateとなります。
また、年8回のMPCのうち、2月、5月、8月、11月開催の4回はスーパーサーズデーと呼ばれ、四半期インフレ報告が同時に発表され、その後、総裁による記者会見が行われます。
なお、2016年まで毎月開催されていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)にならい、2017年から年8回に減らしています。
◆MPCボードメンバーの分布図(5月9日時点)
-タカ派-
マン(Mann)委員
ハスケル(Haskel)委員
ラムスデン(Ramsden)副総裁
ピル(Pill)理事
ベイリー(Bailey)総裁
ブロードベント(Broadbent)副総裁
カンリフ(Cunliffe)副総裁
-ハト派-
テンレイロ(Tenreyro)委員 ※7月4日まで、後任はタカ派のグリーン(Greene)
ディングラ(Dhingra)委員
発表元:https://www.bankofengland.co.uk/
リリース日:https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy/upcoming-mpc-dates