米CPI、鈍化予想
- 2023/6/13
- 経済データBOX

日本時間13日21時30分に5月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.2%上昇、前年比4.1%上昇、CPIコアは前月比0.4%上昇、前年比5.3%上昇と前年比ベースで鈍化する見込みとなっています。
米クリーブランド連銀が予測している12日時点の5月のCPIナウキャストは、総合が前月比+0.19%、前年比+4.13%、コアが前月比+0.45%、前年比+5.34%となっています。
2日に発表された5月の米雇用統計では、平均時給の伸びが前月比0.3%増、前年比4.3%増と前月(前月比0.4%増、前年比4.4%増)から下回り、賃金上昇率の緩やかに低下していることが示唆されました。
また、EIA(米エネルギー情報局)によると、5月の米国の平均ガソリン価格は、1ガロン当たり3.7ドル台前半から3.6ドル台半ばに下落したあと、3.6ドル台後半に上昇していますが、昨年同時期よりも20%近く下回る水準にあります。
なお、世界最大の自動車サービス組織である米コックス・オートモーティブがまとめた米国の中古車価格の指標である5月のマンハイム米中古車価格指数は224.5と2カ月連続で低下し、前年比ベースではマイナス7.6%となっています。
今晩のCPIは予想通りの鈍化を示す可能性が高く、明日にFOMCを控えていることもあって、ドル円は市場で期待されているレンジからの放れはないかもしれません。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。
一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(2023年1月時点)は、財38.382%(内、食品13.531%、エネルギー6.921%)、サービス61.618%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm