米小売売上高、横ばいもしくは減少との見方
- 2023/6/15
- 経済データBOX

日本時間15日21時30分に5月の米小売売上高が発表されます。大方の予想では、前月比変わらず、変動の大きい自動車を除いたコア指数は同0.1%増となっています。
米コンファレンスボードが先月30日に発表した5月の米消費者信頼感指数は102.3と市場予想(99.0)を上回りましたが、前月(103.7)から低下し、2022年11月以来、6カ月ぶりの低水準となりました。現況指数は2カ月ぶり、期待指数は2カ月連続で低下し、期待指数は今後1年以内に景気後退に陥る可能性を示唆する80を下回る水準で推移しています。
足元の消費者信頼感指数の低下が、今晩発表される米小売売上高に影響を与えた可能性があり、予想は前月から伸びが鈍化もしくは減少することが見込まれています。
なお、米銀行大手バンク・オブ・アメリカが発表している消費者の支出傾向分析「消費者チェックポイント」では、5月の1世帯あたりのカード支出の伸びは、前月比0.1%増、前年比0.2%減となっています。
◆米小売売上高(Retail Trade and Food Services)の見方は…
GDPの約7割を個人消費が占める米国において、個人消費のトレンドを把握することができるため、米小売売上高は非常に重要な指標と言われています。百貨店やスーパーなどの小売業の売上高を、無作為に抽出した約5,000社を対象としたサンプル調査に基づき、米商務省調査局(U.S. Bureau of the Census)が推計・発表しています。
総合指数や変動の大きい自動車を除いたコア指数、項目別では自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と前年比、実額が発表されます。また、調査する対象は耐久財と非耐久財に⼤別され、GDPの個人消費支出の算出に使われているコントロールグループと呼ばれる自動車、ガソリンスタンド、建材、飲食サービスを除いたコア指数が注目されます。
実際に調査した⽉から2週間後に発表されるため、速報性が高く、景気の先⾏指標として捉えられます。小売売上高が前月比で増加すると、個人消費は堅調と判断できます。一方、前月比で減少すると、個人消費が落ち込んでいると判断されます。また、例年1⽉に発表される数値には、前年のクリスマス商戦の結果が反映され、最も消費が旺盛な時期の米国の消費者マインドをみるために特に注目が集まります。10⽉に発表される数値には、米国の学校の新学期である9⽉の情勢が反映されています。
ただ、月ごとの変動が大きいため、トレンドの見極めが難しく、修正が大きくなる場合もあります。また、インフレ率を調整していないため、投資判断が難しいとする見方もあります。
発表元:https://www.census.gov/
リリース日:https://www.census.gov/about/event-calendar.html