日銀会合、一部では来月に政策の微調整を予想
- 2023/6/16
- 経済データBOX

日銀の金融政策決定会合が開催(15日・16日)されています。市場では、イールドカーブ・コントロールを軸とした現行の金融緩和策が継続されるとの見方が大勢を占めています。
4月に公表された経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、日銀は2023年度のコアCPIの中央値は前年比1.8%上昇(1月の展望レポートでは同1.6%上昇)を見込んでいることが明らかになりました。
ただ、5月19日に発表された4月の消費者物価指数では、コアCPIが前年比3.4%上昇と2カ月連続で伸びが加速しています。また、今月12日に発表された5月の企業物価指数は前年比5.1%上昇と鈍化傾向となっていますが、昨年の高い伸びの反動との見方が一般的です。また、国内企業の価格転嫁の動きが続いているため、夏以降は高止まりすることが見込まれています。
このため、7月の展望レポートでは物価見通しが上方修正される見込みで、来月の日銀会合で政策の微調整が行われるとの予想する向きが一部であるようです。
◆日銀金融政策決定会合とは…
日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合を金融政策決定会合といいます。通常、年8回、各会合とも2日間開催されます。
議事内容は、
(1)金融市場調節方針
(2)基準割引率、基準貸付利率および預金準備率
(3)金融政策手段(オペレーションにかかる手形や債券の種類や条件、担保の種類等)
(4)経済・金融情勢に関する基本的見解等
とされています。
決定内容については、会合終了後、直ちに当該会合における内容が公表されます。また、政策変更がない場合も、その旨公表されます。
通常、1月、4月、7月、10月の年4回の会合で審議・決定のうえ、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表され、会合における「主な意見」は原則として会合の6営業日後、議事要旨については次回決定会合の承認のうえ、その3営業日後に公表されます。
◆2%の「物価安定の目標」
日本銀行法では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。
日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。
◆「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
日本銀行は、2016年9月の金融政策決定会合において、金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。この政策の枠組みは、金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」の2つの要素から成り立っています。
出所:日本銀行(https://www.boj.or.jp/)
開催日:https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm/