RBA理事会、据え置きとの見方がやや優勢
- 2023/7/4
- 経済データBOX

日本時間4日13時30分にオーストラリアの政策金利が発表されます。大方の予想では、据え置きとの見方がやや優勢ですが、現行の4.10%から4.35%に25bp(ベーシスポイント)引き上げ、3会合連続で利上げするとの見方もあります。
前回の会合(6月6日)では、オーストラリア中央銀行(RBA)は据え置きとの大方の予想に反し、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を3.85%から4.10%に引き上げ、2カ月連続で金融引き締めを決定しました。また、インフレが確実に目標に戻るために追加引き締めが幾分必要になる可能性があるとしました。
一方、先月20日に公表された前回開催分のRBA議事要旨では、0.25%の利上げと据え置きの2つの選択肢を議論したことが明らかになりました。また、利上げの決定が微妙な性質のもので、利上げ停止の可能性も示唆されたことで、RBAが年内2回の利上げを行うとの見方を後退させました。
15日に発表された5月の雇用統計では、雇用者数が市場予想(1.75万人増)を大きく上回る7.59万人増となりましたが、28日発表された5月の月次消費者物価指数(CPI)は前年比5.6%上昇と市場予想(同6.1%上昇)や前月(同6.8%上昇)から伸びが大きく鈍化しました。このため、今月は政策金利を据え置くとの見方がやや優勢となっています。
◆RBA理事会とは
オーストラリア準備銀行(RBA)は、原則として毎月第1火曜日に開催する金融政策理事会で政策金利を含む金融政策を決定します。なお、1月は夏休み期間のため、理事会の開催がなく、年11回の発表となります。
政策金利として採用されているのは、銀行間取引の翌日物貸出金利であるオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)の誘導目標になります。
RBAの「金融政策」の目的は、法律で、①通貨価値の安定、②最大雇用の維持、③経済的繁栄と厚生の促進と定められています。また、インフレの抑制を「金融政策」の一義的な中期目標と位置づけ、消費者物価の上昇率を年2~3%で安定させることとしています。
発表元:https://www.rba.gov.au/
リリース日:https://www.rba.gov.au/schedules-events/calendar-2023.html