ISM非製造業景況指数、6カ月連続で50を上回る見込み
- 2023/7/6
- 経済データBOX

日本時間6日23時に6月のISM非製造業景況指数が発表されます。大方の予想は51.3と前月から上昇する見通しで、景況感の分岐点である50を6カ月連続で上回る見込みです。
先月23日にS&Pグローバルから発表された6月の米サービス業購買担当者指数(PMI)速報値は54.1と前月(54.9)からやや低下しましたが、5カ月連続での活動拡大が示されました。新規受注が好調な伸びを示したほか、サービス関連企業は先行きに対して楽観的な見方を強めていることが示されました。
NY連銀が先月16日に発表したビジネスリーダーを対象に実施したニューヨーク地域の6月のサービス業活動指数はマイナス5.2と9カ月連続で活動縮小が示されましたが、前月(マイナス16.8)からは大きく回復しています。また、6カ月間先予測のサービス業活動指数はプラス14.4と昨年9月以来の水準に上昇し、先行きに対して企業は前向きな姿勢になっていることが示唆されています。
前月のISM非製造業の予想外の低下は一時的なものとみられ、今晩発表される6月のISM非製造業ではサービス業の拡大が示されるとの見方が優勢です。
◆ISM非製造業景況指数(Services ISM Report on Business)の見方は…
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、非製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されるもので、毎月第三営業日に前月の調査結果が発表されます。
アンケート内容は、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入、在庫景況感の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。そのうち、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の4項目を加重平均して算出したものを、Services PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM非製造業景況指数の主要指数となっています。ISM製造業景況指数同様、50%が景気判断の分岐点となっています。
雇用やGDP(国内総生産)面で、銀行や商店、卸売りなどサービス業が占める割合は大きく、また米雇用統計よりも先に発表されることも多いため、投資家やエコノミストらが雇用統計の先行指標として注目します。
ISM非製造業景況指数のなかでも、新規受注指数は先行性の高い指標と言われます。また、輸出用受注指数は将来の状況を予測するうえで重要な指標となります。両指数のいずれか、あるいは両方が分岐点である50をコンスタントに超えていると、今後サービス業が伸びてくると考えることができます。
ただ、ISM非製造業景況指数は1998年から公表された新しい指標で、データが信頼性に欠けると考える人もいます。また、数値の振れが大きくなりやすい傾向があるため、指数の方向性でなく、コンスタントに50を超えているのかどうかを見るのがポイントと言われています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/