FOMC、25bpの利上げ予想
- 2023/7/26
- 経済データBOX

日本時間27日午前3時に米国の政策金利が発表されます。大方の予想では、現行の5.00~5.25%から25bp(ベーシスポイント)の利上げが見込まれています。なお、Fed Watch(25日時点)によると、25bpの利上げ確率が98.3%、50bpの利上げ確率が1.7%となっています。
前回会合(6月13・14日)で公表されたドットチャート(中央値)では、2023年末は5.6%と3月公表から0.5%(0.25%の利上げを2回分)引き上げられました。また、2024年末は4.6%、2025年末は3.4%とそれぞれ3月公表から0.3%引き上げられています。
2023年末のドットチャートの形状をみますと、中央値を予想する参加者が9名と多数派で、中央値よりも大幅な利上げを予想する向きが3名、中央値よりも小幅な利上げを予想する向きが6名となっており、今後2023年末のドットチャートの中央値が引き上げられる可能性は低くなっています。
◆FOMCとは
FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略で米国の金融政策の決定の行う会合です。通常は年8回開催され、会合では米連邦準備制度理事会(FRB)議長と副議長、理事を合わせた7名、12地区ある連邦準備銀行総裁の5名(このうち1名はNY連銀総裁がFOMCの副議長を務め、残りの4名は持ち回り)の計12名が投票権を持ちます。
米国の政策金利は、フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標で、0.25%のレンジで目標が示されます。また、FRBは毎年3・6・9・12月にFOMCメンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表し、その政策金利の見通しが「ドットチャート」と呼ばれ、メンバーが適切と考えるFF金利誘導目標の水準を点(ドット)の分布で示したものになります。
◆タカ派、ハト派とは
各国の金融政策を決める会議のメンバーに対して、「タカ派(hawk)」「ハト派(dove)」という言葉を良く聞かれます。一般的に、タカ派は景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、金融引き締め(利上げ)政策寄りの人です。一方、ハト派は物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮する金融緩和(利下げ)政策寄りの人となります。
◆FOMCボードメンバーの分布図(6月7日時点、赤字は投票権あり)
-タカ派-
ブラード(Bullard)セントルイス地区連銀総裁
カシュカリ(Kashkari)ミネアポリス地区連銀総裁
ウォーラー(Waller)FRB理事
メスター(Mester)クリーブランド地区連銀総裁
ローガン(Logan)ダラス地区連銀総裁
ボウマン(Bowman)FRB理事
バーキン(Barkin)リッチモンド地区連銀総裁
デーリー(Daly)サンフランシスコ地区連銀総裁
パウエル(Powell)FRB議長
バー(Barr)FRB金融規制担当副議長
ウィリアムズ(Williams)ニューヨーク地区連銀総裁
ジェファーソン(Jefferson)FRB理事 ※FRB副議長に昇格指名される予定、空席となるFRB理事には経済学者のクーグラー(Kugler)氏が就任予定
-中立・不明-
コリンズ(Collins)ボストン地区連銀総裁
ハーカー(Harker)フィラデルフィア地区連銀総裁
ダバート(Dubbert)カンザスシティ地区連銀第1副総裁(暫定)
-ハト派-
グールズビー(Goolsbee)シカゴ地区連銀総裁
ボスティック(Bostic)アトランタ地区連銀総裁
クック(Cook)FRB理事
FOMC開催日:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
FRBボードメンバー:https://www.federalreserve.gov/aboutthefed/bios/board/default.htm