ユーロ圏GDP、2四半期連続のプラス成長予想
- 2023/7/31
- 経済データBOX

日本時間31日18時に2023年第2四半期ユーロ圏GDP速報値が発表されます。大方の予想では、EU27カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は、前期比0.2%増、前年比0.5%増となっています。
ユーロ圏(クロアチアを除く19カ国)の第1四半期の実質成長率(前期比)を国別でみると、アイルランドやリトアニアなど7カ国でマイナス成長となった一方、ルクセンブルクとポーランドでは1.0%以上の成長となった。EU主要4カ国では、イタリア(0.6%)、スペイン(0.5%)、フランス(0.1%)がプラス成長だった一方、ドイツは前期(マイナス0.4%)に続いてマイナス成長(マイナス0.1%)となっています。
28日にドイツ連邦統計庁が発表した第2四半期独GDP速報値は前期比横ばいと市場予想(0.1%増)を下回りました。
ただ、ラガルドECB総裁は30日、フランス、ドイツ、スペインの第2四半期のGDP統計が非常に勇気づけられる内容で、ECBの成長率見通し(今年のユーロ圏のGDP成長率0.9%)と整合的と述べています。
◆ユーロ圏のGDP(Gross Domestic Product)とは
ユーロ圏のGDP(域内総生産)は、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会の部局の一つとしてルクセンブルクに事務局を置いている統計局(Statistical Office of the European Union)であるユーロスタット(Eurostat、以下EU統計局)が各国の四半期GDP(国内総生産)データを積み上げ、輸出入などの調整を行い算出します。
統計に必要なデータ収集は各国の統計当局が行うため、EU統計局は各国間や地域間で比較可能なデータが得られるように共通基準を整備し、得られたデータを適切にまとめることで、欧州全体を正しく反映した統計情報を提供しています。
また、EU統計局は加盟各国の統計当局との間で緊密な協力を可能にする「欧州統計システム(ESS:European Statistical System)」という連携体制を構築しており、ESSには欧州経済領域(EEA:European Economic Area)や欧州自由貿易連合(EFTA:European Free Trade Association)諸国も参加しています。
ユーロ圏のGDPは、ユーロ圏経済活動の最も総合的な指標であり、経済状況を示しているため、ユーロ圏全体の経済状況を総合的に測るうえで重要な指標です。調査対象四半期の翌月末に速報値、翌々月中旬に改定値、翌々月初旬に確報値が発表されます。
発表元:https://ec.europa.eu/eurostat/
リリース日:https://ec.europa.eu/eurostat/en/web/main/news/release-calendar?start=1685570400000&type=listMonth&theme=2#